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hamatra match preview 008:劇薬の効き目はいかに。 〜 【2017 明治安田生命 J1リーグ 第18節】 vs サンフレッチェ広島

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相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。

今回は明治安田生命J1リーグ第18節 サンフレッチェ広島編。

試合情報

2017 明治安田生命 J1リーグ 第18節
vs サンフレッチェ広島
2017/07/08(土) 19:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)

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チーム成績状況

現在の順位

横浜F・マリノス
順位 勝点 試合 得点 失点 得失
5 32 17 10 2 5 22 14 8
サンフレッチェ広島
順位 勝点 試合 得点 失点 得失
17 10 17 2 4 11 15 30 -15

リーグ直近成績

横浜F・マリノス
直近
2試合前

3試合前

4試合前

5試合前

2-1
大宮(A)

2-0
神戸(H)

1-0
FC東京(A)

2-0
川崎(H)

3-1
清水(A)
サンフレッチェ広島
直近
2試合前

3試合前

4試合前

5試合前

3-4
浦和(A)

0-3
大宮(H)

0-1
川崎F(A)

1-3
鹿島(H)

0-0
磐田(H)

過去の直接対戦成績

 vsサンフレッチェ広島: 62戦36勝19敗7分 (112得点85失点)

 (うち、ホームゲーム:32戦21勝8敗3分 68得点43失点

分析対象試合

2017 明治安田生命 J1リーグ 第17節
浦和レッズ 4-3 サンフレッチェ広島
@埼玉スタジアム2002
得点者:42'興梠慎三(浦和) 45'武藤雄樹(浦和) 47'皆川佑介(広島) 54'&72'アンデルソン・ロペス(広島) 85'ズラタン(浦和) 90'+2'関根貴大(浦和)

公式記録/レポート

www.jleague.jp

プレー傾向:サンフレッチェ広島

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守備

  • アタッカーが前から追い、中盤が楔を狙う傾向が見えるも、後方が連動せずバイタルエリアを空ける傾向。
  • 低いゾーンで5-2のブロックを組むと意思統一がなされる。
  • マークのズレ、ギャップの発生、アプローチ不全など、致命的なエラーが多々。特に目に付くポジショニングバランスの悪さ。修正しようとするも穴を塞ぎきれない。
  • セットプレーはマンマーク。

攻撃

  • 攻撃時に4-1-5、3-2-5とシステムを変形させ、前線に人数を掛ける「ミシャスタイル」は継続。ゆったりとしたポゼッションからサイドへの展開、中央への楔を狙う。
  • 前線から最終ラインまでの距離が開きすぎるとキーパスの成功率が著しく下がる。押し上げて、距離を狭めるとコンビネーションが生まれる。
  • 1トップの皆川を使ったコンビネーションプレーに手応え。
  • 左サイドの柏好文のアクションでスピードアップする傾向。

全体

対戦を4日後に控えた7月4日、衝撃的なニュースが届く。

2012年、2013年、2015年と3度のJ1優勝、2015年のクラブワールドカップでも好成績を残すなど、輝かしい成績を残してきた森保一監督が退任するとの報。
宿敵とも言うべき浦和にショッキングな逆転負けを喫したことが引き金となったのかは定かではないが、数多くの栄光に彩られた広島の一時代が終わった。

ただ、驚きはない。
開幕5試合で1分4敗、そして直近でも今季2度目の4連敗、チーム状態が上向かず、流れも悪い。危機的状況であることは火を見るよりも明らか。

プレーの内容に目を向けると、広島のスタイル自体に大きな変化ははない。3-4-2-1を基本に守備時には5-4-1、攻撃時には4-1-5となる可変型システムで相手に対応を強い、高度なポゼッションでボールを動かしつつ、敵陣に押し込む。相手がアグレッシブでプレーがし辛ければ、容赦なくゲームを殺し、動きが落ちる勝負所を待つ。森保一のチームはこうして勝ってきた。

しかし、何かが違う。隙が無いはずのチームが簡単に隙を見せ、安い失点を繰り返す。強みであるポゼッションでも成功率の低いプレーを選択することが目につく。軸となるべき選手は本来のパフォーマンスからは程遠く、欠かせない選手は度重なる怪我でピッチを離れる。そして、流出して空いた大きな穴を埋めるべき選手が期待に応えきれない。

結果、狂った歯車は戻らないまま。劇薬の効き目はいかに。

キープレーヤー

No.18 柏好文

横浜のカップタイトルの芽を潰したドリブラーは、不調のチームの中でも輝きを放っている。
キレあるドリブルによる縦の打開、左から中央へダイヤゴナルアクションによるダイナミズムの付随、彼の動きが広島を加速させる。

広島にとってウイングバックのポジションは生命線。サイドの受け手が仕掛け、相手を押し込むことで初めて"らしく"振る舞える。戦略的にも非常に重要な役割を担っている。

横浜は、"4-1-5"対応の整理と共に、柏好文をいかに抑えるかが大きなファクターとなる。彼の存在は無視できない。

マリノスのキープレー

「中盤のアプローチを引き出す」

広島のこのゲームに対してのスタンス次第ではあるが、横浜の低いゾーンでのポゼッションに対してプレスを掛けてくるのであれば、中盤のアプローチを引き出した上でバイタルエリアを使いたい。

前でのインターセプトを狙いアプローチに出るも、「行ききれない」シーンが散見され、そのアプローチによって広島のバイタルエリアは大きく広がる。横浜にとって大きなチャンスでもある。齋藤学のフロートアクションをうまく使いたい。

総括

嫌なタイミングではある。
サッカーはメンタルスポーツ、森保一監督の退任というファクターが選手に火をつけ、パフォーマンスが改善される、ということも十分に考えられるからだ。

ただ、横浜にとっては森保一監督がいようといまいと、やることは変わらない。
ここまで積み上げてきたもの、改善に取り組んでいること、手応えを感じていること、一つ一つをピッチで表現するだけ。チーム内競争は激しく、選手たちはパフォーマンスを落とせば自らの席がなくなるという危機感が芽生えている。

スタンドもまた緩みを見せるわけにはいかない。5連勝は過去のもの、目の前の1試合を大事にしたい。

 
 
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)

 
 

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