相手を知ることでより見えてくることがある。
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一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。
今回は明治安田生命J1リーグ第19節 清水エスパルス編。
試合情報
2017 明治安田生命 J1リーグ 第19節
vs 清水エスパルス
2017/07/29(土) 19:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)
・ホームゲームイベント情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
・チケット情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5 | 33 | 18 | 10 | 3 | 5 | 23 | 15 | 8 |
清水エスパルス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
12 | 21 | 18 | 5 | 6 | 7 | 21 | 25 | -4 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
△ 1-1 広島(H) |
○ 2-1 大宮(A) |
○ 2-0 神戸(H) |
○ 1-0 FC東京(A) |
○ 2-0 川崎(H) |
清水エスパルス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 2-0 G大阪(H) |
● 0-1 札幌(A) |
○ 1-0 甲府(H) |
△ 1-1 C大阪(A) |
● 0-2 FC東京(H) |
過去の直接対戦成績
vs清水エスパルス: 62戦28勝22敗12分(85得点70失点)
(うち、ホームゲーム:29戦10勝14敗5分 37得点39失点)
分析対象試合
2017 明治安田生命 J1リーグ 第18節
清水エスパルス 2-0 ガンバ大阪
@IAIスタジアム日本平
得点者:29'松原后 40'鎌田翔雅
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:清水エスパルス
[第18節 ガンバ戦スターティングメンバー]
守備
- 2トップのアプローチをスイッチに、前傾で奪いにいく姿勢が強くみられる。
- ただその開始位置が曖昧で、後方との連動性は薄いものの、1つ1つのアプローチ、プレスバックに強度。
- 全体的に前傾姿勢のため、アプローチを外されると、バイタルエリア、DFライン裏に大きなスペースが生まれる。
- 押し込まれると、中盤が最終ラインに吸収され、1ライン気味になる傾向。
- セットプレーはマンマーク。
攻撃
- チームとして意図が非常に明瞭。サイドからはクロス、中央からはワンツー。そのため、クロス時にはゴール前に人数が多かったり、楔に連動したダイナミズムの付与など、選手たちが迷いなくプレーする。
- サイドバックからのアーリークロスは清水の形。右の鎌田翔雅、左の松原后、共に毎試合複数本試みる。
- 攻撃構築は非常にシンプル。早いタイミングでトップに当て、サイドに展開して前進。
全体
中断前のガンバ戦では、エース・鄭大世が出場停止、強烈かつ精度の高い左足で存在感を放つチアゴ・アウベスと、今シーズン10番を背負う白崎凌平が負傷離脱中といった、攻撃陣の駒が揃わない台所事情ながら、チームとしての質を示し勝利をおさめた。
元々、攻撃に置いては意図が共有され、練度を感じさせるプレーを見せていたが、守備に置いてもチームとしての方向性が定まり、結果に反映され始めている。
とはいえ、やっていることは決して難しいことでもない。FWのアプローチで攻撃方向を限定しよう、その上で相手の縦パスを狙おう、ボールサイドに厳しく寄せよう、という至極シンプルなもの。
その効果はてきめん、選手達のプレーから迷いが消え、二見宏志やカヌといった「前に強い」特徴を持つ選手がピッチに立つなど選手起用にも一本筋が通った感がある。
その報酬としての上位喰い。取り組んできたことに自信が持てる結果を得た。
FWのアプローチ開始位置、後方との連動、アプローチに伴うスペースマネジメントといった箇所に曖昧さは残るものの、中断期間を挟むだけに課題を消化し、更に質を高めている可能性は十分。
清水が後半戦の台風の目となるかもしれない。
キープレイヤー
No.9 鄭大世
未だに脳裏に焼き付いて離れない。
静岡ダービーでの鮮烈なバイシクルシュート、赤く染まった埼玉スタジアムに黙らせるパワフルなミドルシュート。 並々ならぬゴールへの意欲も、鍛え抜かれた肉体から生み出されるパワーも、未だ衰え知らず。
「鄭大世ここにあり」をまざまざと見せつけられたゴールだった。
エースにして、キャプテンでもある彼は、戦術的にも生命線というべき選手。
ポストワーカーとして攻撃の起点となること、ファーストディフェンダーとして守備の水先案内人となること、そしてストライカーとしてクロスを仕留めること。彼の出来如何が清水の出来、そして勝敗を左右するといっても過言ではない。
生命線を潰せるか、否か。鄭大世を巡る攻防に注目だ。
マリノスのキープレー
「最終ライン裏への飛び出し」
ガンバが呉屋大翔を起用して再三狙っていたことからもわかる通り、彼らの最終ライン裏がウイークポイントであることは間違いない。
コンセプトである前景の姿勢を保とうとするが余り、スペースケアは全般的に緩慢。ウーゴ・ヴィエイラ、マルティノス、齋藤学がそのスペースを突けば、チャンスは大きく広がる。
出し手としては、相手のアプローチをいなしつつ、常にアタッカー陣を視野に入れ、タイミングを計ってスペースを使うパスを狙いたい。
総括
ここから始まる厳しい夏の連戦、そして勝負の秋へと突入していく。
先を走る上位との差も気にならない訳じゃない。しかし、目の前の1戦1戦で勝ち点を積み上げていかなければ何も始まらない。
日本平での甘美な記憶は過去のこと、状態上向きの迷いなき清水は非常な厄介な相手。
ましてや中断期間明け。緊張感を保てず、試合の入り方に失敗して勝ち点を落としたことも数知れず。
大事な、大事な、リスタート。夏を駆け抜けるべく、もう一度引き締めて、リスタートしたい。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)