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hamatra YOUTH 001:育成年代について

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Jリーグの各クラブは、アカデミーと呼ばれる組織で選手育成を行なっていますが、育成関連の情報はメディアでの露出を含めてまだまだ不足していると感じられるため、今回はアカデミー内でも主にユース(U-18)にスポットを当てたお話をしたいと思います。


アカデミー


Jリーグの各クラブは、プロ選手の輩出を始めとし、日本サッカーの強化につながるよう小学生、中学生、高校生という年代ごとに区分けした育成組織=アカデミーと呼ばれる組織で選手育成の活動を推進しています。

御存知のように私たちマリノス内にもアカデミーは存在し、その規模は約3000人が在籍していることから日本最大級であり、小学3年生以上の小学生チーム(プライマリー、プライマリー追浜)と中学生年代でそれぞれ2チーム(ジュニアユース、ジュニアユース追浜)、高校生年代で1チーム(ユース)を持ち、所属選手たちは日夜トップチームでの活躍、強いては日本代表に選出させることを夢みて日々の練習に励んでいます。


今季で言えば吉尾海夏選手と原田岳選手といったように例年通りだと数名の選手がユースからトップへと昇格を果たしていますし、また高野遼選手のようにユースから大学経由でトップチームへと加入する選手もいます。

3月22日現在で、トップチーム在籍選手の40%強に当たる12選手(注1)がアカデミー在籍経験者であることからも分かるようにマリノスの将来を担う意味でも非常に重要な組織であることは御理解いただけるのではないでしょうか。

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ユースの魅力


では、ユースの魅力とはいったい何なのかと考えた時にまず思い付くのは、成長の速さです。

発展途上の年代だけあって、短期間でも観ないでいると急激に伸びていることがあり、そのギャップを楽しめるのが最大の魅力ではないでしょうか。

近年で言えば、遠藤渓太選手が良い例で、春先にはトップ昇格は難しいと自己分析をし大学進学を検討していましたが、一方で諦めきれず、2015年の夏に行われたクラブユース選手権にて最後のチャンスとばかりに強い覚悟を持って臨んだ結果、周りも驚くほどの爆発的な成長を遂げ、同大会で得点王とMVPに輝き、見事トップ昇格を果たすことになりました。


また、継続的に観ていけば、その成長過程が分かるので楽しさは増大することになりますし、早い段階でマリノスの将来を担う選手を目に付けておくことにより、トップではじめて知るよりも知っている選手がトップに上がっていくことの嬉しさを含め、周りの方よりも長期に渡ってお気に入りの選手のプレーを楽しむことが出来るので思い入れも強くなるでしょう。


その他で言えば、スタジアムの規模が挙げられます。

ユースだとトップの試合に比べて試合会場は小さめのところが多く、マリノスを例にするならばトップが普段練習で使用してる日産フィールド小机だったり、日産スタジアムを挟んで反対側にあるしんよこフットボールパークだったりします。

そのため選手の表情がすぐ近くで見れたり、ベンチからの指示が聞こえたりするので、そういう意味では眼だけじゃなく耳でも楽しめるのがユースの試合観戦時の醍醐味だと思います。

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ユースと部活の違い


日本国内でユース年代に着目した場合、サッカー選手の育成に関しては学校のクラブ活動とプロクラブのアカデミーが2大ルートであり、Jリーグが発足してから20年以上が経過した現在、上記のようにアカデミーからトップチームへ昇格する選手が増えてきてますが、最大のメリットは一貫した指導体制の下で育成させること、そしてプロを身近に感じられることではないでしょうか。

ですが一方で、プロクラブのアカデミーでは年代が進むごとに人数が絞られていくことから中学生の時はジュニアユースに所属していてもユースへの昇格が出来ない場合があります。

その場合、高校のサッカー部へ進むという傾向が強くなっていてますが、高校サッカーにも優れた指導者は多く、その指導者を慕ってユースへの昇格を自ら断り高校に進学する選手もいます。


こうした中で、一部メディアによっては同年代であることにも係わらずクラブチームと高校サッカーという対立構造を設けることで仰いでいるのを見掛けますが、これは「攻撃か守備か」や「中央かサイドか」といった不毛な問いによるものだと思ってます。

つまり、「どちらか」ではなく「どちらも」であるため、確かにそれぞれに良い面とそうでない面はあるが互いに良いところを吸収していくことで高め合っていければといいだけの話です。



ユースからトップへ


先日、オフィシャルで発表されたように、ユース所属ながらトップチームの試合にも出場できるよう二種登録された堀研太選手と山田康太選手。

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堀研太選手に関してはジュニアユースの時にトップチームの試合を観るべくゴール裏に来て応援した事がありますし、山田康太選手に関してはマリノスサッカースクール大和校の一期生です。

小さいころからマリノスに携わり、年代別の代表にも選出されたりと様々な経験を積み重ねつつ、二種登録されたことで長年夢を見てたトップ昇格に片手を掛け、あと1歩というところまで来ました。

普段トップチームのみを観に行ってる方も多いとは思いますが、仮に今までがマリノス=トップチームだとしたら、今後はマリノス=トップ+ユースという一粒で二度美味しいとでも言った感じで、同じマリノスであるのだからユースにも興味関心を持ち、強いては上記2選手をはじめとしたユースの子達のプレーを観るべく会場に足を運んでもらうことで、今までとは違った楽しみかたを味わうことが出来るのではないでしょうか。


今回は育成年代について説明しましたが、それを踏まえた上で次回は「マリノスユース」についてお話をしたいと思いますので、楽しみに待っていただければと思います。



注1
天野純選手(Y:順天堂大)、飯倉大樹選手(Y)、遠藤渓太選手(Y)、金井貢史選手(Y)、
喜田拓也選手(Y)、栗原勇蔵選手(Y)、齋藤学選手(Y)、高野遼選手(Y:日体大)、
富樫敬真選手(Jr.Y:関東学院大)、中島賢星選手(P追浜:東福岡高)、原田岳選手(Y)、吉尾海夏選手(Y)



text:はち(@hachhing

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