高校生年代の最高峰に当たるプレミアリーグは全18試合のうち13試合を終え、残り5試合になりました。
リーグは終盤へと差し掛かり、優勝争いや降格争いなど1試合1試合における勝ち点の重みは今まで以上に増し、まさに死に物狂いで戦わなければなりません。
そこで、今回はこれまでの戦いぶりを踏まえた上で、残り5試合の展望を占ってみようと思います。
プレミアリーグEAST
順位表
得点ランキング
今後5試合の対戦表
今後の展望
首位を走るのは、清水エスパルスユース。
クラブとしてアカデミーに対する取り組みが功を奏し、結果が出ることで自信が付き、自信が付くから結果を出せるようになったという、良いサイクルでリーグを戦えていると言えます。
二種登録選手が7名もいる中、特に前線に強力かつ個性的なタレントを擁することでリーグ最多の得点数を誇り、順調に勝ち点を積み重ねています。
サッカー王国の復権、そしてアカデミー黄金時代の幕開けは目の前です。
その首位である清水エスパルスユースを勝ち点差2で追うのが青森山田高校。
一時、首位に立つも11節で最下位の市立船橋に足元を掬われたのは痛かったが、例年通り高い集中力としたたかさを兼ね揃えたサッカーにブレはなく、17節で清水エスパルスユースとの直接対決で追い抜くことが出来るか。
もし、そこで勝てば2年連続の優勝が見えてくるし、敗れるようなことがあれば、逆に目の前で優勝を決められてしまうかもしれない。
3位は、FC東京U-18。
選手によってはJ3に出場したりと二足の草鞋を履く中でクラブとしては思考錯誤の連続だが、それが成長への足掛かりになっていることに疑う余地はなく、たくましさを身に付けることで優勝戦線に踏み止まっています。
取りこぼしなく勝ち点を積み重ねていき、最終節に望みを繋げられるかがポイントになってきます。
4位の鹿島アントラーズユースは、残り試合数が首位との勝ち点差を上回っているため、優勝は厳しいかと。
が、最後まで戦い抜くところにアントラーズスピリッツというものがあるならば、13試合中8試合が無失点という手堅いサッカーを引き続き展開することで、どこまで勝ち点を積み重ねられるか見ものです。
5位の柏レイソルU-18、6位の京都サンガF.C.U-18は、勝ち点差を考慮するなら優勝も降格も無いでしょう。
柏レイソルU-18としては、ここまで勝ち切れない試合が多いため、そういう意味では不本意なシーズンを過ごしていますが、残り試合どこまでチームとしてチャレンジ出来るがポイントになってきます。
一方の京都サンガF.C.U-18は、リーグの編成の兼ね合いにより今年はWESTからEASTへと戦いの舞台を移したため未知数な部分が多かった中、6位というのは十分に健闘しています。
EAST初年度の最後5試合は、14節15節が優勝争いに絡む2チームと、16節17節18節は降格争いから抜け出し生き残りを掛けて臨んでくる相手なだけに、上位には一泡吹かせ、下位には立ちはだかることが出来るか、残り5試合において鍵を握るチームと言えます。
7位は、浦和レッズユース。
2012年以来のプレミアリーグ参戦となるも、ここは最高峰のリーグ。昨年とは打って変わって思うように勝ち点を伸ばせず苦しい戦いを強いられています。
降格争いをする4チームの中では1番得失点差に開きがないため、状況次第では無駄な失点をせず割り切った戦い方をすることで、生き残りに活路を見出したいところです。
降格圏内一歩手前で踏み止まっているのが、8位の大宮アルディージャユース。
育成年代の難しいところであり結果論になってしまうが、やはりサッカーにおいてセンターラインの選手がみんな卒業し抜けていったのは痛手だったか。
だが、次節は埼玉ダービー、浦和レッズユースとの対戦。
現在の順位とかチーム状況とか御託は一切抜きにこの相手だけには負けられない、何としても勝たなければいけないという試合を控えているため、意地を見せるか現実を突きつけられるか。
9位の横浜F・マリノスユースについては、下記で触れるため割愛。
最下位に位置するのは、市立船橋高校。
昨年3位という好成績を収めるも、1年かけて積み上げたものがあっても選手が卒業し入れ替わることによって時にベースが揺らぎ、再度積み重ねなければならないところにこの年代の難しさを感じずにはいられません。
このまま終わるのか奮起するのか、未来はいつでも自分たち次第です。
プレミアリーグWEST
いつもはマリノスユース中心に掲載していますが、リーグも終盤に差し掛かったこと、またプレミアリーグは東西に分かれたEASTとWESTの二部構成で行われているため、たまにはマリノスユースが在籍していないほうのWESTについて触れたいと思います。
順位表
※悪天候の影響により順延となった試合があるため、各チームで試合数が異なるので暫定のものになります。
得点ランキング
元マリノス
暫定ながら2位に位置するのはヴィッセル神戸U-18ですが、このチームの監督をしているのは、日産自動車の時代を含め1990年代にマリノス(トップチーム)の主力を担い、選手として活躍していた野田知です。
当時は主にボランチとして非常に安定感のあるプレーをしていましたが、歴代のマリノスBEST11を考える際に玄人好みするのが好きな人は、入れる可能性がある選手でした。
また、アビスパ福岡U-18を率いているのは、小倉裕介。
こちらは選手としてではなく、指導者として2000年代中ごろから2014年までマリノスのスクールやアカデミーのコーチをしていたため、御存知の方もいることでしょう。
今年3月末にマリノスユースとアビスパ福岡U-18が練習試合をした際、試合前には元同僚として小倉さんと現在のマリノスユース監督である西谷さんが談笑していましたが、いざ試合が始まるとピッチ以上にベンチが熱くなっている姿は観ていて何とも微笑ましい光景でした。
そうやってマリノスを離れてもサッカーに係わっていること、他のチームではありますが御活躍されていること、そうした中で(今年はありませんでしたが)例えば毎夏に行われている日本クラブユース選手権や秋に行われるJユースカップなど何かの縁で対戦できる可能性があることは、観るものとして今後に向けての楽しみの1つです。
また得点ランキングに目を向ければ、大津高校や東福岡高校の選手が入っているため、冬の高校サッカー選手権大会に向けてリサーチがてら今からチェックしておくのも良いでしょう。
マッチプレビュー
前節の清水エスパルスユース戦は前半ロスタイムに失点し、結果0-3での敗戦となり、これでチームは4連敗となりました。
バイタルまではボールを運べるも、そこからの1手2手が続かずにシュートが打てない、打たせてもらえない、だから攻めきれない。
反対に攻めきれないことが守備にも影響を及ぼし守り切れない。
試合内容は悪くないが、攻守において「やりきれない」ところにもどかしさを感じずにはいられず、それが結果が出ない要因の1つです。
前回、鹿島アントラーズユースとの対戦ではセットプレー2発にやられたため、集中力を切らさない点を含め、チームしても個人としても1つ1つのプレーをやり切ることが出来るか、全力を出し切ることが出来るかどうかが勝利へ、そして残留に向けてのポイントになってきます。
前回対戦時の結果
高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEAST 第5節
横浜F・マリノスユース 0-2 鹿島アントラーズユース
@神奈川県立保土ヶ谷公園サッカー場
得点者:7'金澤蓮(鹿島) 52'オウンゴール(鹿島)
(公式記録 / レポート)
両チームの前節のスタメン
横浜F・マリノスユース
鹿島アントラーズユース
両チームの注目選手
横浜F・マリノスユース:MF 37 松田詠太郎
松田 詠太郎(まつだ えいたろう)1年生
ジュニアユース追浜出身の選手であり、ここまで6試合に出場うち4試合がスタメン。
逆に直近2試合は流れを変えるべく終盤に途中出場ですが、そのプレースタイルは縦にガンガン仕掛けていく快足アタッカーです。
初速、加速共にその速さは凄まじく、圧倒的なスピードにのったドリブルは対戦相手にとっては手の付けようが無いほど脅威になります。
鹿島アントラーズユース:FW 9 金澤蓮
金澤 蓮(かなざわ れん)3年生
豊富な運動量と頑健な身体を活かし前線からの守備に奮闘しつつ、攻撃時にはポストプレーでチャンスを演出するとともに泥臭くゴールを狙うプレーは献身性が高く、アントラーズを象徴する選手と言えます。
観戦情報(日時・場所など)
2017年9月24日(日曜)11:00 キックオフ
高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEAST 第14節
横浜F・マリノスユース vs 鹿島アントラーズユース
会場:鹿島アントラーズクラブハウス
今後の試合日程
・プレミアリーグEAST 第15節
10月8日(日曜)11:00~ vs 青森山田高校
(横須賀リーフスタジアム)
・Jユースカップ
10月14日(土曜)~11月19日(日曜)
1回戦 vs 湘南ベルマーレユース
・プレミアリーグEAST 第16節
11月25日(土曜)15:00~ vs FC東京U-18
(武蔵野苑多目的グランド)
・プレミアリーグEAST 第17節
12月2日(土曜)14:00~ vs 浦和レッズユース
(日産フィールド小机)
・プレミアリーグEAST 第18節
12月10日(日曜)13:00~ vs 市立船橋高校
(船橋市法典公園球技場)
※ 各試合、無料で観れます。
text:はち(@hachhing)