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スタジアムを熱く、楽しくする横浜F・マリノスサポーターのためのウェブマガジン「Web Magazine hamatra」(ウェブマガジン ハマトラ)  Presented by NPO法人ハマトラ・横浜フットボールネットワーク

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hamatra My First Game 025:あだち(1998年3月28日vsサンフレッチェ広島)

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マリノスが好きになったキッカケは何ですか?
今の観戦や応援スタイルに行き付いたキッカケは何ですか?

あの試合があったから今がある。
あの試合があったからここにいる。

そんな思い出に残っている試合を語ってもらう My First Game

今回は、あだちさんによる1998年3月に行われたvsサンフレッチェ広島の試合です。

今回は「あだち」さん(自己紹介)

 今回担当させて頂く、あだちです、こんにちは。

前回のMy First Gameを担当した、しおりちゃんと同じく「横浜屋根下」というグループで応援しています。 ・主に試合後に「屋根下あだちメモ」というマリノス系ブログを書いています。
・今年息子が生まれ、現在トリコロールに染めるため妻と育児奮闘中。
・周囲の理解があるお陰で、ホームゲームは2000年途中から全試合、アウェイゲームも数年に1,2試合欠場程度で観戦出来ています。
・マイルを貯めてマリノス所属選手の代表試合を観に行く事にもハマっています。
 (最近は韓国(遠藤選手)、ポーランド&マケドニア(バブンスキー選手)、オーストラリア×2&ロシアW杯(ミロシュ選手)、アメリカ(マルティノス選手)、ドイツ(生駒選手&町野選手)へ)
・NPOハマトラの理事を務めています。


マリノスにハマったきっかけ

 一言でいえばマリノスに溢れた環境です。

 実家が当時の新子安本社に近く、友達やご近所さんが何人も日産&マリノスサッカースクールに通っていました。 また、当時の練習場、獅子ヶ谷グラウンドが学区内にありよく見学に行っていました。 なお、妻はマリノスで活躍する某選手と同級生です。

 そんな私は物心ついた頃には既に家族と観戦していた為、どの試合が最初の日産/マリノスの試合か分かりません。

 ですので今回は、家族とではなく「友達と」初めて観戦したマリノスの試合について書きたいと思います。

My First Game

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1998年3月28日(土)
Jリーグ ディビジョン1 1st stage 第3節
横浜マリノス 4-0 サンフレッチェ広島
@三ツ沢公園球技場
得点者:19'サリナス(横浜) 46'サリナス 54'サリナス 60'サリナス

https://data.j-league.or.jp/SFMS02/?match_card_id=3643

ダービー敗戦の悔しさから。

 小さい頃からサッカー観戦は家族でのイベントでした。

 日本がワールドカップに初出場した1998年、横浜マリノスは、新たに横浜国際総合競技場(現・日産スタジアム)がホームスタジアムに加わりました。

 こけら落としは2月に行われた日本代表のダイナスティカップだったのですが、Jリーグとしてのこけら落としは開幕戦3月21日のフリューゲルスとの横浜ダービー!

 家族で観戦に行き、52,083人という大観衆の試合に興奮したのを覚えています。

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 試合はフリューゲルスの永井秀樹選手(翌年からF・マリノス)に先制されるも、サリナス選手のリーグ記録である8試合連続得点で同点となり、当時あった延長戦へ。

 ここでフリューゲルスの佐藤一樹選手(翌年からF・マリノス)に決められ敗戦。大観衆でのワクワク感と、延長Vゴール負け(ゴールが決まった時点で試合終了)にショックを受けました。

https://data.j-league.or.jp/SFMS02/?match_card_id=3630

 そして、次のホームゲームに行き、勝ちたい!と。

 次のホームはミッドウィークのアウェイC大阪戦を挟んで3月28日の広島戦@三ツ沢。

 しかし、家族の都合が合いません。そこで春休みという事もあり、学校の友達2人を誘っていく事にしました。初めての家族以外との観戦、my first gameです!

試合へ行くワクワク感。

 今回は初の友達との観戦。チケットも自分達で用意する事になりました。

 一緒に観に行く友達と、春休みに入っていたので遊びながら打ち合わせ。三ツ沢への行き方やチケットの席種の検討など。マリノスを観に行くんだというワクワク感。

 3人とも試合をじっくり見たい&安い席が良いと一致し、バックスタンドコーナー付近のB自由席小中学生(1,500円)にしました。 試合の数日前にチケットセゾンのお店で店員さんに確認してもらいながらチケットを購入しました。

 あとは週末の試合を待つばかり。

 一緒に行く2人も今まで以上にマリノスにハマって欲しいと思い、ミッドウィークのセレッソ戦も負けて(3-4で敗戦)開幕2連敗でしたが、 「去年(97年)もマリノスは2nd ステージでは2連敗スタートから11連勝したから勝つよ!!」と友達を盛り上げたのを覚えています。

試合前も楽しい時間。

 試合当日は快晴。 15時キックオフなので昼食を食べてから集合し、横浜駅に出てそこからバスで三ツ沢へ。 友達2人もマリノスの試合を生観戦に楽しみにしていたので、移動中も終始サッカーの話ばかり。

 1週間前が5万人を超える大観衆。席が空いてなかったらどうしよう?と思いましたが、予想外にガラガラで、前段に入りました。

 試合前は貰ったお小遣いで、イカ焼きとサザエ焼きを買ってシェアしたり。 当時はマッチデープログラムが有料販売だったので購入。その時の表紙&特集は、上野良治選手でした。

 また、せっかく来た記念に3人で同じ横浜マリノスと書かれたキーホルダーを買いました。

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予備知識合戦

 試合開始前にはこの試合に関するうんちく合戦となりました。

 マリノスの監督は前年からスペイン出身のアスカルゴルタ監督。攻撃的なサッカーの監督で当時のマリノスは大量得点試合も多かったです。 この監督はボリビアを44年ぶりに94年のアメリカワールドカップに導いた監督でした。

 その繋がりからマリノスの背番号10番はボリビア代表バルディビエソ選手。 バルディビエソ選手は97年に前半28分でハットトリックというJ1最速ハットトリック記録を今も持っています。

 対する広島はスコットランド出身のトムソン監督。 以前にオーストラリアの代表監督を務め、その繋がりでオーストラリア代表だったアーノルド選手(後に仙台監督、ロシアW杯後からオーストラリア代表監督)がいました。

 この頃の広島なのですがクラブが経営難に陥っており主力だった高木琢也選手、森保一選手らを放出。 その流れで日本代表にも選ばれていた路木龍次選手がマリノスに移籍してきました。

 翌99年からJ2が始まり、J1は18チームから2チーム減の16チームとなり、98年シーズン末にプレーオフが予定されていました。 広島はプレーオフに回らないよう残留する事が一つの目標でした。(フリューゲルスがマリノスと合併し1枠減り、最終的に札幌のみ降格)。 広島の背番号10は当時21歳で後にマリノスで活躍する久保竜彦選手が付けていました。

 対するマリノスは日本代表の宝庫。 GKの川口能活選手、DFの井原正巳選手、小村徳男選手、FWの城彰二選手。 この試合の前日には、日韓戦(98年4月1日)のメンバー発表で中村俊輔選手も代表に入りました。

 そしてこの試合は日本代表監督の岡田武史監督も三ツ沢に視察に訪れていました。

 友達と一生懸命双眼鏡でメインスタンドの岡田監督を探しました(笑)

キックオフ!

 試合開始が近づき、スタジアムのボルテージも上がっていきます。 バックスタンドなので横からゴール裏を見るかたちになりますが、トリコロールで溢れるスタンドの奥にメインスタンドとゴール裏の間から桜が見えて綺麗でした。

 そこに選手入場で大量の紙吹雪が舞っていて幻想的な雰囲気。試合への期待が一気に高まります。

 そうそう、この当時応援リードはゴール裏だけではなくバックスタンドの一番ゴール裏寄りに、太鼓とタスキを出しているグループがありました。 なのでバックスタンドにいても応援が良く聞こえていました。

 試合開始前には1節前のセレッソ戦で100試合出場の路木選手とこの試合で100試合出場の鈴木健仁選手の表彰が行われました。

 マリノスは代表組らがスタメン。 体調不良が言われていて、前節のセレッソ大阪戦で連続得点記録が途切れてしまったサリナス選手もスタメンでした。

 前節C大阪戦でデビューしゴールを決めた深澤仁博選手もスタメン。

 サブには松田直樹選手や前年にデビューから3戦連続ゴールで11連勝の立役者となった岡山一成選手、高校3冠を達成し鳴り物入りしたルーキー古賀誠史選手らが入っていました。

 試合が開始すると、マリノスペースな試合に。 左サイドハーフの中村選手が独特のリズムとテクニックで相手をかわしていく様子を間近で見られ興奮。

 右の深澤選手も積極的な攻撃参加。 深澤選手が切れ込んで打ったシュートのこぼれ球をサリナス選手が詰めて前半のうちに先制! 紙吹雪が舞う三ツ沢。友達とハイタッチして喜びました。

 このサリナス選手はスペインのFCバルセロナでも活躍した事がある名選手。

 後年、妻とスペインに行くと、バルサTVというチャンネルがあり、サリナス選手が出ていて興奮しました。 リーガに詳しい友達に「サリナスが出ている!」と連絡した所、「サリナスはバルサでの松木安太郎さんみたいなポジション」と言われました(笑)

 なお、サリナス選手やアスカルゴルタ監督のスペイン語通訳としてベンチ入りしていたのが、現在吉尾海夏選手や原田岳選手らの代理人を務めるロベルト佃さん。

 先制し終始マリノスペースで進んでいくのであっという間に時間が過ぎたのを覚えています。 サリナス選手はポスト直撃のシュートシーンも!

 そんな感じで攻め続けているうちにハーフタイムへ!

 ハーフタイムではスイスの時計メーカー、RADOの腕時計抽選会がありました。 前回のホーム5万人超えに比べこの試合は8,043人。 確率が上がり当たるかと思いましたが、そんなに物事上手くいかず(笑)

後半に見ごたえ凝縮。

 後半に入るとますますマリノスペース。

 後半開始早々に中村選手の得たフリーキックをバルディビエソ選手が蹴り、サリナス選手のヘッドが炸裂!2-0!

 前半はアウェイ側のゴールでしたが、やはりホーム側のゴールに決まる瞬間が観られると盛り上がりますね!

 サリナス選手はまたすぐにゴールを奪い、通算2度目のハットトリックを達成! 紙吹雪舞う中、カンピオーネを原曲とするサリナス選手の応援歌が響きます。思わず友達と口ずさんでいました。

 コンディション不良と言われていたサリナス選手は、路木選手からバルディビエソ選手に繋がったパスからまたもゴール! この日4点目を決め、早々に勝負あり!

 怖かったシーンは広島の久保選手が放ったポスト直撃のシュートくらいでした。

 こうなるとスタンドは、ここまで3節未だノーゴールの日本のエース、城選手の応援が中心に。 何度も「城彰二」コールが三ツ沢に響きます。 バルディビエソ選手からのお膳立てパスも何度もあるのですが、広島のGK下田選手がファインセーブを連発していました。

 ちなみに城選手はこの年、25ゴールと、例年なら得点王になってもおかしくない得点数でしたが、磐田の中山選手がギネス記録の4試合連続ハットトリックなどの36得点で得点王となり、城選手は得点ランク2位でした。

 余裕の出たマリノスは、サリナス選手に代えて岡山選手を投入。 ゴールこそなりませんでしたが泥臭く走り回ってゴールに迫る姿でまたまたスタンドは盛り上がりました。

 マリノスは中村選手に代えて平間智和選手を投入。 対する広島は久保選手が唯一尊敬する大木勉選手やクルーク選手、新人の池端陽介選手を元マリノスの伊藤哲也選手に代えて投入しました。

 その後、マリノスには最大のピンチが! ペナルティエリア内でファールをしPKを与えてしまいました。 キッカーはアーノルド選手。

 終始盛り上がっていた三ツ沢に静寂が訪れた瞬間でした。

 バックスタンドだったので綺麗にPKが見えたのですが、アーノルド選手のシュートを川口選手が横っ飛びでセーブ!! PKを見事に阻止し、スタンド中が大盛り上がりになりました。

 そして深澤選手に代わって古賀選手がJリーグデビュー! 大勝していたお陰でルーキーデビューという貴重な瞬間に立ち会えました。

 試合はその後少し荒れ気味になり、広島のアーノルド選手が退場。 そのまま4-0でマリノスが勝利しました。

 紙吹雪が舞い、ゴール裏からは勝利時に歌われる「マストよなびけよ」の大合唱。

 ヒーローインタビューはメインスタンド前だったのですが、背景広告看板もなかったのでバックスタンドから後ろ姿のサリナス選手のインタビューを見ていました。 この時サリナス選手の通訳は今もマリノスでお仕事されているパブロ細川さんがされていました。

 さて、4-0大勝で大盛り上がりした私たち。 帰りは余韻に浸りたく、徒歩で横浜駅へ。駅へ向かう中で今日の試合の事を語りあったり。 友達2人もしっかりマリノスに染まっていました。

 そして横浜駅へ向かう浮いたバス代で、京急の駅構内にあった立ち食いソバ屋さんに寄って帰った友達と観戦した最初のマリノス戦のお話。

My First Gameを書いてみて。

 リレーで回ってきて、悩んだ末に、友達と観戦したMy First Gameを書きました。 書こうとすると、やはり最初の試合というのは特別で、次から次へと色々と当時の記憶が蘇ってきました。

 代表戦を豪華メンバーを集めた2時間ドラマや映画に例えるなら、クラブの試合はまさに大河ドラマ。 1試合だけでも楽しめますし、シーズン通し、更にシーズン跨いで様々な事があってのストーリーの楽しさ。 そんなマリノスにどっぷりつかるきっかけになったのがこの友達との観戦かもしれません。

 お陰で以降も多くのマリノスの試合を観戦しています。

 もっとも、目の前の1試合1試合がとにかく楽しいのでその積み重ねです。 何試合見たから凄いとかではなく、行ける試合をとにかく楽しむ事がマリノスと長く付き合っていくコツなのかな?と思います。

 あとは学生時代それなりに頑張ったお陰で今の観戦に適した環境を得る事ができました。 リレーをくれた しおりちゃんら、一緒に応援している若い子には話すのですが、選手にガンバレという以上、まずはしっかり学業を頑張ろう、と。 無理をしろとは言わないですが、しっかりやる事はやる。 中澤佑二選手が岡田イズムの「勝負は細部に宿る」でランニング時カラーコーンの外側をしっかり走る話ではないですが、きっと良い事に繋がるハズです。

 あとマリサポ学生さんたちに言っておきたい事は、ACL含め海外行く機会がこれから多いので、しっかり英語を中心とする語学の勉強とマイルを貯める事をオススメして私の My First Gameを締めたいと思います。

次回の「My First Game」

 さて、my first gameの次のリレー先はこの方! 株式会社レミントンの坂田社長です!

 レミントンさんといえばマリノスのスポンサーとしても有名で、昨年(2017年)の配布ユニの時には袖スポンサーに!

 このレミントンさんはポスター活動等を支援してくださるNPOハマトラの団体賛助会員であり、いわばサポーターのサポーター!

 私がNPOハマトラの理事をしている事もあり、時々お会いするのですが、坂田社長のマリノス愛が物凄いです! 活動報告に伺ったのに大体1時間くらい直近のマリノスの試合の話になります!

 そんなマリノス愛あふれる坂田社長のmy first gameを伺ってみたいと思いお願いしたところOKが出ました!皆さん次回こうご期待です!!


text:あだち(@tabicham
edit:ろこ(こけまり)

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