相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。
今回は明治安田生命J1リーグ第26節 柏レイソル編。
試合情報
2017 明治安田生命 J1リーグ 第26節
vs 柏レイソル
2017/09/16(土) 19:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)
・ホームゲームイベント情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
・チケット情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5 | 47 | 25 | 14 | 5 | 6 | 31 | 20 | 11 |
柏レイソル
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 49 | 25 | 15 | 4 | 6 | 39 | 24 | 15 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-3 川崎(A) |
○ 1-0 FC東京(H) |
△ 0-0 神戸(A) |
○ 1-0 鳥栖(H) |
○ 2-0 札幌(A) |
柏レイソル
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 2-1 浦和(A) |
△ 1-1 新潟(H) |
○ 1-0 G大阪(A) |
○ 4-1 清水(A) |
△ 0-0 鳥栖(H) |
過去の直接対戦成績
vs柏レイソル: 56戦21勝10分25敗 (72得点85失点)
(うち、ホームゲーム:27戦9勝5分13敗 (32得点35失点))
分析対象試合
2017 明治安田生命 J1リーグ 第25節
浦和レッズ 1-2 柏レイソル
@埼玉スタジアム2002
得点者:50'ハモン・ロペス(柏) 86'武富孝介(柏) 90'興梠慎三(浦和)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
2017 明治安田生命 J1リーグ 第23節
ガンバ大阪 0-1 柏レイソル
@市立吹田サッカースタジアム
得点者:68'伊東純也(柏)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:柏レイソル
守備
- 高い位置から激しくプレッシング。
走力あるアタッカー陣のアプローチには迫力、後列も恐れずにチャレンジ。リスキーな側面もあるが、チーム全体の意思共有は図られている。 - ポジショニング重視のゾーンディフェンス。
人を捕まえることであったり、スライドすることへの意識は薄く、フリーマンが出来たり、ギャップが開くことも。 - 露呈した弱点をしっかりと埋めることが出来る修正能力。
- セットプレーはフルゾーン。
攻撃
- クリスティアーノ、伊東純也、ハモン・ロペス、ディエゴ・オリベイラ…能力の高いアタッカー陣のクオリティは抜群。特にカウンター時に個人能力を全面に押し出すプレーは圧巻。
- アカデミー出身者4枚(中谷・中山・大谷・小林)がダイヤモンド型になってビルドアップ。中谷進之介からは前線狙うフィードも。
- 守備から攻撃への切り替えがスムーズ。前向きにボールを奪うと間髪入れずアタッカーに楔、個人の推進力でカウンターに繋げる。奪った選手がそのまま長い距離をランニングして厚みを加えることも。
- クリスティアーノのセットプレー、強烈な直接FKはもちろん、CKも鋭いボールで合わせてくる。
全体
相手のシステム変更によってプレスがハマらず、サイドチェンジに揺さぶられるなど、かなり苦労した印象のある浦和戦。試合後の会見で下平監督が語った通り、割り切ったサッカーは本来のスタイルとは程遠いものだった。
しかし、裏を返せば柏が持つ幅を感じた試合でもある。シンプルなスペースパスを遠藤航を屈強なフィジカルではね飛ばしつつ収めて先制点を演出したのは、久々に先発起用されたディエゴ・オリベイラ。こういう強烈な個が控えていることにこのチームの選手層の厚さ、バリエーションの豊かさを感じさせた。
また、浦和の策により後手を踏み、ディフェンスラインに大きな穴が空いていたのだが、後半にはボランチを落とすことで穴を塞いで反撃の素地を整えるなど、修正能力を備えていることも見て取れた。
本来のパフォーマンスを見るのなら、ガンバ戦のパフォーマンスが適当だろうか。前線が激しく追い回すプレスは全体の距離が間延び傾向にあるものの、迫力、連動性を備え、5月の対戦時の記憶を呼び起こされる印象を受けた。
そしてボールを奪えば、スムーズな切り替えから強烈な個が並び立つアタッカー陣が襲い掛かる。浦和戦とは違う、もう一つの顔が見えた試合だった。
戦術的柔軟性、修正能力、強烈かつ選択できる幅のある選手層…このチームが上位にいる理由が見えた2試合だった。
キープレーヤー
No.14 伊東純也
今、Jリーグで最も速い男。
走り出せば、彼に追いつけるものはいない。並走しても少しの空間を与えてしまえば、加速して一歩前に出て抜き去ってしまう。伊東純也の速さは、相手を震え上がらせる大きな脅威であり、柏にとって最大の武器となっている。
しかし、速いだけの雑な選手ではない。クロスの質もいい、そしてシュートも素晴らしいものを持っている。ガンバを葬り去った一発には彼の魅力が詰まっていた。
数分前に日本代表・三浦弦太を一瞬のスピードで置き去りにして決定機を演出したインパクトからか、スピードが武器の藤春廣輝ですら距離を空けて対応したがる。その逆手を取って、カットインからの左足で名手・東口順昭も届かないコースへ打ち抜いた。
柏のホットエリアは間違いなく彼がいる右サイド。彼を巡る攻防がキーとなる。
キープレー
「プレス回避」
前回の対戦、そして悪夢の川崎戦…改めて弱点を晒してしまったことを考えれば、今回も柏は前から圧力を掛け、横浜の手を抑えに来ることが予想される(中川寛人の先発起用含め)
いかに圧力から逃れ、いい攻撃に繋げていくか。柏のプレスは連動性はあるにせよ、少々間延び傾向があり、中盤にスペースがないわけじゃない。奪った後のビジョンを持ち、相手を上回るトランジッションプレーが出来るか。何よりも勇気をもってプレーできるか。
リプレイとなるか、修正できるか、勝負の綾はここにある。
総括
ダメージが残らないはずがない。
それでも、前に進むしかない、何も終わっても、決まってもいないのだから。
しかし、立ちはだかるは前半戦に完全に抑え込まれて完敗を喫した相手。タイミングは最悪に近い。
ここで何を示せるか、真価が問われる一戦。問われるのはビハインドメンタリティ。
このままでは終われない。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)