相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。
今回は明治安田生命J1リーグ第30節 鹿島アントラーズ編。
試合情報
2017 明治安田生命 J1リーグ 第30節
vs 鹿島アントラーズ
2017/10/21(土) 19:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)
・ホームゲームイベント情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
・チケット情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 52 | 29 | 15 | 7 | 7 | 37 | 26 | 11 |
鹿島アントラーズ
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 64 | 29 | 21 | 1 | 7 | 48 | 27 | 21 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
△ 1-1 大宮(H) |
○ 2-1 G大阪(A) |
● 2-3 甲府(A) |
△ 1-1 柏(H) |
● 0-3 川崎(A) |
鹿島アントラーズ
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 2-0 広島(H) |
● 0-1 鳥栖(A) |
○ 2-1 G大阪(H) |
○ 4-2 新潟(A) |
○ 1-0 大宮(H) |
過去の直接対戦成績
vs鹿島アントラーズ 65戦24勝32敗9分 (88得点100失点)
(うち、ホームゲーム:33戦14勝13敗6分 (45得点50失点))
分析対象試合
2017 明治安田生命 J1リーグ 第29節
鹿島アントラーズ 2-0 サンフレッチェ広島
@県立カシマサッカースタジアム
得点者:30'土居聖真(鹿島) 84'鈴木優磨(鹿島)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:鹿島アントラーズ
[第29節 サンフレッチェ広島戦スターティングメンバー]
守備
- ゲームの流れを見極めつつ、ステイとプレスを使い分ける。守るべきところでは、チーム全体でゾーンを下げることも厭わず。
- 高い位置から追う際に長い楔を狙い、鋭くアプローチ。奪い切る意思と執念を感じさせる強度。
- 穴が空いたところにはポジションを捨ててでも塞ぐ、スペース管理よりボールホルダーへのプレッシャーを優先。
- セットプレーはマンマーク。
攻撃
- ショートカウンターの質は圧巻。仕掛けと一気のスプリントの連動で、フィニッシュまでの流れを作る。機を逃さない。
- スペースがあればシンプルにフィードを飛ばしてポイントを作る。
- レオ・シルバからの展開が多い。抑揚を付けつつ、中・外にキーパス。セットプレーのキッカーも。
全体
「最後に勝つのはドイツ」
こんな格言を耳にしたことはないだろうか。
良いプレーをするチーム、波に乗ったチームが躍進することはあれど、最後に勝利を手にしているのはドイツ。事実、多くのタイトルを勝ち取ってきたからこその格言であり、その勝負強さ、逞しさに恐れ慄く表現ともいえるのかもしれない。
そんな格言をJリーグに当てはめるとしたら、「最後に勝つのは鹿島」がぴったりくるのではないだろうか。3大タイトル(リーグ・ルヴァン・天皇杯)獲得回数は、他の追随を許さない19回。昨季もリーグと天皇杯を制するなど、未だ強者としてリーグに君臨する存在である。
そんな鹿島に激震が走ったのは今年5月のこと。神戸・川崎と連敗を喫したタイミングで、昨季2冠に導いた石井正忠監督を解任し、大岩剛コーチを昇格させる大ナタを振るう。誰もが驚く人事ではあったが、この英断が鹿島を蘇らせた。
大岩体制になっての一番の変化は選手起用。石井体制では出場機会の少なかったレアンドロや三竿健斗、安部裕葵らに出場機会を与えると、その選手達が結果を残す好循環。フレッシュなプレーヤーの勢いを得たチームは、2度の5連勝を含む14勝2敗1分という驚異的なペースで勝ち点を積み重ね、一気に首位まで駆け上がった。
新たな競争原理の元、強さを取り戻した王者に隙は見当たらない。
キープレーヤー
No.4 レオ・シルバ
ユニフォームの色が変わっても、相手にとって最も嫌な選手であることは変わらない。
特に目を見張るのが、ピッチ全域でのプレーの幅と質。自陣で穴が空けば抜群の危機察知能力で穴を埋めてボールを刈り取り、中盤中央では抑揚を付けつつキーパスを前線に供給。機を見てバイタルエリアにも顔を出し、セットプレーでも質の高いボールでゴールを演出する。まさに、ボックスtoボックス、全てのエリアで存在感を示す超人のクオリティは圧巻の一言。
的確にスペースを埋める「相方」三竿健斗を得たことでその広範囲に動くプレーに伴うリスクも低減されており、鬼に金棒のような状態になっていると言えるのかもしれない。
その存在感に支配されるか、逆に抑え込んで支配するか、中盤の攻防の鍵は彼が握っている。
キープレー
「デュエル」
鹿島の個々の選手が持つ技術の質、ここぞの局面での強度は、リーグでも屈指。
その質や強度に屈し、局面局面での「デュエル」で負けてしまうと非常に苦しいゲームになる。分析対象試合でも、奪いどころで山本修斗が素晴らしいアプローチでボールを奪いショートカウンターに繋げたことが土居聖真の先制点に繋がった。
相手が狙ってきたところで奪われない、仕掛けてきたところでも粘り強く対応する。簡単ではないにせよ、一つ一つの局面で粘る、しいては上回ることが大前提。
負傷者続出で組織的な質を求められない現状だからこそ、個々の奮起に期待したい。
総括
バランスよく、高いクオリティで、当たり前のことをさぼらずに。改めて鹿島は強い、そして隙が無い。
隙の無い王者との対戦となれば、普通にやっても苦戦は必至。更には負傷者続出の緊急事態、見事なまでの逆境だ。
泣こうと喚こうと難しい状況であることは変わらない。しかし、この逆境を乗り越えた時、チームは大きな大きな自信が掴めるはず。逆境こそがチャンス!開き直りでも構わない、ポジティブに試合を迎えたい。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)