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今回は、2018 明治安田生命J1リーグ第14節 ガンバ大阪編。
試合情報
2018 明治安田生命 J1リーグ 第14節
vs ガンバ大阪
2018/05/12(土) 19:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
15 | 13 | 13 | 3 | 4 | 6 | 17 | 21 | -4 |
ガンバ大阪
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
16 | 13 | 13 | 4 | 1 | 8 | 13 | 18 | -5 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
△ 1-1 名古屋(A) |
● 1-3 磐田(H) |
◯ 3-0 鹿島(H) |
● 1-2 札幌(A) |
△ 4-4 湘南(H) |
ガンバ大阪
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-2 札幌(A) |
◯ 1-0 仙台(H) |
◯ 3-0 鳥栖(H) |
● 0-1 湘南(A) |
◯ 1-0 C大阪(H) |
過去の直接対戦成績
vsガンバ大阪 69戦33勝23敗13分 (108得点93失点)
(うち、ホームゲーム:34戦17勝10敗7分 (55得点41失点))
分析対象試合
2018 明治安田生命J1リーグ 第13節
北海道コンサドーレ札幌 2-0 ガンバ大阪
@ 札幌厚別公園競技場
得点者:39'深井一希(札幌) 72'都倉賢(札幌)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:ガンバ大阪
[第13節 北海道コンサドーレ札幌戦 スターティングメンバー]
守備
- 間延び傾向にあり、前線が追うも後方は連動せず。静的な印象。
- スペースを管理しきれず、淡白な対応も垣間見える局面対応。中盤の網を破られると、ラインを下げつつ対応する形が散見。
- 今野泰幸のボール奪取能力は衰えず。彼のエリアでボールを刈り取るシーン多い。
- CKのディフェンスはフルゾーン。
攻撃
- パスの正確さ・丁寧さは、パスサッカーを信条としてきたクラブらしい質。狭いギャップでもきれいなグラウンダーのパスを通してくる。
- ワンツーやオーバーラップなど、最後の崩しは「裏」という共通意識。
- 左の藤春廣輝、右の米倉恒貴と、スピード豊かなサイドバックが積極的に攻撃に絡む。
- ファビオ、三浦弦太、マテウス、ファン・ウィジョ、長沢駿と180cmを超えるプレーヤーが並び立ち、左足なら藤本淳吾、右足なら遠藤保仁が精度高いボールを供給するセットプレーに迫力。
全体
長きに渡り指揮を執ってきた長谷川健太が退任し、宿敵を率いていたレヴィー・クルピを迎えるという驚天動地の選択をした関西の雄。
過渡期を迎え、初瀬亮や市丸瑞希、中村敬斗といった有望な若手を育てて世代交代を進めていくことは至上命題。そこで宿敵のタレントを次々と育て上げた手腕が魅力的に映ったのだろう。
しかし、モデルチェンジはどのクラブも難しいもの。13戦で8つの黒星、順位は16位。苦しい滑り出しとなっている。
試合内容に目を向けると、攻撃においては流石ガンバと思わされる質を感じさせるチャンスを作り出すも、守備に関しては問題山積。緩慢な切り替えで大きなスペースを与える傾向があり、局面の対応も淡白。いかにして守り、ボールを奪うのかという主体的な狙いが余り見えず、結果として受動的な対応を強いられるシーンが非常に多かった。
個々の能力は非常に高く、魅惑的な攻撃も展開する、が、その土台は脆い。レヴィー・クルピの改革は、道半ばといったところか。
キープレーヤー
No.11 ファン・ウィジョ
数年に渡るラブコールに応えて大阪へやってきた韓国代表のストライカーが、ようやく本領発揮しはじめた。
サイズがあり身体も張れるし、ボックスの中での得点感覚もある。外に開いてチャンスメイクも出来るし、前を向いて仕掛けることもできる。そして何より点を取る自らの形を持っている。非常に柔軟でマルチな能力を持っている選手。
特筆すべきは「点を取る自らの形」。
外寄りから仕掛けてゴールを射抜く形は、「こうやって沢山点を取ってきた」という自負を感じさせる。タイミングを外すドリブルでコースを開き、コンパクトかつ素早い振りのシュートの精度は抜群。形を持ってる選手は怖いもの。
チームが苦しむ中で数字を積み上げていることは能力の証明。彼を巡る攻防が試合の鍵を握る。
キープレー
崩す力、決定機を決めきる力
相手の現状、自分たちの積み上げてきたものを鑑みれば、攻撃機会自体は決して少なくないはず。しかし、機会は多くとも、数字に反映できていない、ということがこれまでの成績となっていることは火を見るより明らか。様々なディティールを駆使する形でアタッキングエリアへ入った後、いかに崩し、いかに決めきるか、それが試合の結果を左右する。
グループとしてのイメージの共有、正しいポジショニングによる厚み、何より決定力…一朝一夕に変わるものではないにせよ、決まるときは決まる。決まる日であることを願ってやまない。
総括
連戦に次ぐ連戦、課題と疲労は詰みあがるも修正はままならず、相手の対策だけが精度を増す。苦しい時期であることは間違いない。
それでもこの痛みの先に大きな成功が来ることを信じている。このサッカーを初めて目の当たりにした時の衝撃、感じた大きな可能性こそがその根拠だ。
No pain, No gain、苦しい時こそ、皆で踏ん張ろう。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)