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今回は、2019 明治安田生命J1リーグ第2節 ベガルタ仙台編。
試合情報
2019 明治安田生命 J1リーグ 第2節
vs ベガルタ仙台
2019/03/02(土) 13:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 10:30 | 一般開門 11:00)
チーム成績状況
現在の順位
順位 | チーム名 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 名古屋 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 4 |
2 | 湘南 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 |
3 | 横浜 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 |
4 | 大分 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 |
5 | C大阪 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 |
6 | 松本 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
6 | 磐田 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
6 | 広島 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
6 | 清水 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
10 | 川崎 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
10 | F東京 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
10 | 浦和 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
10 | 仙台 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
14 | G大阪 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | -1 |
15 | 鹿島 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | -1 |
16 | 神戸 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | -1 |
17 | 札幌 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | -2 |
18 | 鳥栖 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | -4 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 3-2 G大阪(A) |
- | - | - | - |
ベガルタ仙台
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
△ 0-0 浦和(H) |
- | - | - | - |
過去の直接対戦成績
vsベガルタ仙台
通算: 28戦10勝9敗9分 (42得点31失点)
ホーム: 13戦2勝6敗5分 (11得点16失点)
分析対象試合
2019 明治安田生命J1リーグ 第1節
ベガルタ仙台 0-0 浦和レッズ @ ユアテックスタジアム仙台
得点者:なし
公式記録/レポート www.jleague.jp
プレー傾向:ベガルタ仙台
守備
- 2シャドーがサイドハーフのポジションへ落ちる5-4-1へのシステム変更を行い、相手の侵入を迎え撃つ形がベース。
- 昨シーズンに比べプレッシングの比率を落とした感あり。追いきれないとみるや、早々に撤退し5-4のブロックを形成する。
- 各選手のアプローチ意識が旺盛で、アプローチに呼応して前方にポジションを取る選手が挟み込む形でボール奪取するシーンが多数。
- CK時の守備はフルゾーン。
攻撃
- 最前線の長沢駿及びシャドーのハモン・ロペスを狙ったロングボールの頻度が高く、攻撃構築の成功率はイマイチ。
- サイドを使ったシンプルな攻撃を意図。前線の高さ、ウイングバックのボックス進出など中央に迫力と厚み。
- ロングボールのセカンドボール回収及び中盤での前向きのボール奪取からのショートカウンターに鋭さ。
- ドリブラーとして独力打開が期待できる関口訓充に、ストッパーへコンバートされた永戸勝也のオーバーラップが絡む左サイドがストロングポイント。
全体
夏のユアスタで、秋の三ッ沢で。
攻守両面のトランジッションで凌駕し、意図するサイドアタックで、衝撃的な個人技で次々と得点を重ね、合計13点。2018年のリーグ戦に関しては完全に仙台を蹂躙したといっていい。
しかし、その甘い記憶は捨て去ったが方がいいのかもしれない。
というのも、2019年の仙台は現実的な方向へと舵を切り、非常に「堅い」チームへと変貌したからだ。
最も大きな変化はプレッシングの比率を下げ、スペースを圧縮した5-4ブロックによる迎撃型ディフェンスの比率を上げたこと。プレスの空転やトランジッションで後手に回った際に見られた前後の分断、フィルタなき守備対応といった高リスクなシチュエーションが減り、リスクは大幅に軽減され、天皇杯決勝にて屈した浦和に対してほとんど決定機を作らせなかったことを見ても成果が出ている。
攻撃に関しては、新加入の長身センターフォワード長沢駿へのロングフィードを軸にした武骨な攻撃へとグレードダウンした感は否めないものの、元々の仙台の強みであるサイドアタックには合致する。
理想はあれど、現実を見据える。渡邉晋監督の同じ轍は踏まないという意思を感じた開幕戦だった。
キープレーヤー
No.6 兵藤慎剛
札幌では定位置を確保することが出来ず、今季はベガルタ・ゴールドのシャツに袖を通したハードワーカー。
仙台では、ミドルエリア・アタッキングエリアで「かき回す」プレーではなく、リスクを管理しつつ秩序を守る役割を担う。
経験値があり、ミスが少なく、労を惜しまず働ける、という点では適任ではあるものの、以前の兵藤さんを思い起こすと少し「大人しくなっちゃった」ように見えて一抹の寂しさを感じるかもしれない。
しかし、ボールを絡めとられたとき、セカンドボールを拾ったとき、仙台にスイッチが入る。そのスイッチを入れるのは彼だ。
久々のスタメンとしての凱旋、円熟味を増す"かき回さない"兵藤慎剛に注目だ。
キープレー
5-4ブロック攻略
昨年の対戦で得点を積み重ねられた要因として、守備から攻撃への鋭いトランジッションやプレス回避により敵陣に勢いをもって仕掛けられたことが上げられる。
しかし、仙台が『閉めてくる』となれば、状況は変わる。後方に人数を揃え、楔に対してシビアにアプローチしてくる守備に対して、いかに突破口を見いだすか。
開幕節は、攻撃構築にて三好康児がもたらした勢いに乗る形で素晴らしい攻撃を展開した横浜。趣の異なる相手にも実効力を示せるか。試合の鍵はここにある。
総括
得点を増やすことより、失点を減らす方が手っ取り早く、難易度も低い。歴史的観点から見ても、守備をベースに栄光を得たチームは数知れず。渡邉晋監督の選択には一理あるのだ。
翻って、横浜は継続した。今季もアンジェ・ポステゴグルーが掲げる理想のアタッキングフットボールの道を往く。理想を追うロマンティシズムは必ずしも結果に繋がるとは限らない。それでも、開幕戦で示された期待感は横浜の可能性と同義だ。
さあ、今年もワクワクしよう。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)