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今回は、2019 明治安田生命J1リーグ第5節 サガン鳥栖編。
試合情報
2019 明治安田生命 J1リーグ 第5節
vs サガン鳥栖
2019/03/29(金) 19:30キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 17:00 | 一般開門 17:30)
チーム成績状況
現在の順位
順位 | チーム名 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | FC東京 | 10 | 4 | 3 | 1 | 0 | 4 |
2 | 名古屋グランパス | 9 | 4 | 3 | 0 | 1 | 6 |
3 | 大分トリニータ | 9 | 4 | 3 | 0 | 1 | 3 |
4 | サンフレッチェ広島 | 8 | 4 | 2 | 2 | 0 | 2 |
5 | 鹿島アントラーズ | 7 | 4 | 2 | 1 | 1 | 2 |
6 | ヴィッセル神戸 | 7 | 4 | 2 | 1 | 1 | 2 |
7 | 横浜F・マリノス | 7 | 4 | 2 | 1 | 1 | 0 |
8 | 浦和レッズ | 7 | 4 | 2 | 1 | 1 | 0 |
9 | ガンバ大阪 | 6 | 4 | 2 | 0 | 2 | 1 |
10 | 北海道コンサドーレ札幌 | 6 | 4 | 2 | 0 | 2 | 1 |
11 | 湘南ベルマーレ | 6 | 4 | 2 | 0 | 2 | 1 |
12 | 松本山雅FC | 4 | 4 | 1 | 1 | 2 | -1 |
13 | 川崎フロンターレ | 3 | 4 | 0 | 3 | 1 | -1 |
14 | セレッソ大阪 | 3 | 4 | 1 | 0 | 3 | -3 |
15 | サガン鳥栖 | 3 | 4 | 1 | 0 | 3 | -6 |
16 | ジュビロ磐田 | 2 | 4 | 0 | 2 | 2 | -2 |
17 | 清水エスパルス | 2 | 4 | 0 | 2 | 2 | -5 |
18 | ベガルタ仙台 | 1 | 4 | 0 | 1 | 3 | -4 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-2 大分(A) |
△ 2-2 川崎(H) |
○ 2-1 仙台(H) |
○ 3-2 G大阪(A) |
- |
サガン鳥栖
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 1-0 磐田(H) |
● 0-2 F東京(A) |
● 0-1 神戸(A) |
● 0-4 名古屋(H) |
-|- |
過去の直接対戦成績
vsサガン鳥栖
通算: 16戦9勝6敗1分 (18得点15失点)
ホーム: 8戦6勝2敗0分 (10得点6失点)
分析対象試合
2019 明治安田生命J1リーグ 第4節
サガン鳥栖 1-0 ジュビロ磐田 @ 駅前不動産スタジアム
得点者:90'+2'イサック・クエンカ
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:サガン鳥栖
守備
- ステイ気味の4-4のブロックを敷き、入ってくる相手に対して強くアプローチに行く迎撃型守備。またトップも低いゾーンまで落ちて守備に参加。
- 強いコンタクトを伴う形で一つ一つのアプローチを実行。ファウル、カードも辞さず。一人一殺。
- CKの守備はゾーンとマンマークの併用。
攻撃
- サイドを使う形での攻撃が基本線。フェルナンド・トーレスや金崎夢生といった存在感あるトップをクロスで生かす意図。
- ポゼッション時の組み立てが昨年と比較すると大きく変化。サイドバック・ボランチ・サイドハーフ・トップがひし形のポジションを取り、トップへの楔を経由してサイドへ展開する形、高い位置でタッチライン際にポイントが出来たところにインナーラップを組み合わせる形などを狙う。スペースが空けばトップが流れることも。
- 長いボールをシンプルに前線に送ることも。孤立気味となる傾向が垣間見えるも中盤がスプリントして押し上げてサポートに走る。
全体
フェルナンド・トーレスやイサック・クエンカの加入、スペイン人監督ルイス・カレーラスの招聘、更には元スペイン代表の右サイドバック・ファンフランの加入も噂されるなど、一気にスペイン化が進む鳥栖。
その変化はピッチにも表れる。その代表例がサイドの「奥」を取る崩しだ。
サイドバックからトップへ楔を入れ、収縮したところでサイドハーフへ展開する。
トップがサイドのスペースに流れてポイントを作り、幅を取って内側に生まれたギャップをインナーラップで突く。
といったプレーが試合中にも複数回あり、結果として数的不利な展開ながら決勝点を奪うに至ったのもこの形からだった。
まだまだ途上段階であることは否めないにせよ、この試合が鳥栖にとって大きな成功体験であることに変わりはない。2017年徳島*1で、2018年東京*2で吹いたスペインの風は、2019年鳥栖で吹くか。
キープレーヤー
No.9 フェルナンド・トーレス
昨年11月。
スペイン代表として、アトレティコやチェルシー、リバプールといったビッグクラブのエースとして、数々の栄光を勝ち取ったストライカーは伊達じゃない、と感じさせられた一振りは記憶に新しい。
モデルチェンジを図る鳥栖の中でもトップの役割は非常に重要、サイドアタックを助長する役割として、サイドアタックのフィニッシャーとして、時には自陣に戻っての守備貢献も求められるなど役割は多岐に渡る。
前節は、怪我で途中交代を余儀なくされ、この横浜戦での出場は不透明ではあるが、鳥栖にとっての最重要人物。鳥栖のスペイン化を最前線から牽引する「神の子」のプレーが見られるか、大きな注目である。
キープレー
サイドのスペース管理
サイドバックが内に絞って攻撃構築に絡む形が定常化している現状に置いて、ボールロスト時にサイドバックが埋めるべきスペースが空く横浜の傾向は鳥栖にとっては好都合。スペースがあればフェルナンド・トーレスや金崎夢生がサイドに流れて起点を作るはず。
アタッキングフットボールの根幹は曲げないにせよ、優位性をもってゲームを運ぶために展開をひっくり返されるウィークポイントは看過できない。サイドのスペース管理がこの試合のキーとなる。
総括
大分に完全に丸裸にされての敗戦。
昨年は、ガンバに嵌めこまれて逆転負けを喫した後、その後の試合ではその対策をトレースされて脆弱性を突かれて苦しんだだけに、この試合でいかに振る舞えるのかは今シーズンの趨勢を決めるかもしれない。
今季初の金曜日開催は年度末最終日という社会人にとっては厳しい日程だが、2018年度オールアップのテンションでこの苦境を乗り越えたい。
#揚げていこう!じゃなくて、#アゲていこう!
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)