夏に行われる「日本クラブユースサッカー選手権」と言えば出場できるのはクラブチームのみになりますし、冬に行われる「全国高校サッカー選手権大会」は高校のチームしか出場できないため、高校とクラブチームが混在する、まさにこの年代の真の日本一を決めるのが「高円宮杯U-18サッカーリーグ プレミアリーグ」となりますが、ではプレミアリーグとは一体どんなリーグなのか。
また、開幕戦の対戦相手である大宮アルディージャユースとはどんなチームなのかについてお話したく思います。
開幕直前ということで改めて今季のマリノスユースがどんなチームかは、下記のリンク先から御覧ください。
高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ
プレミアリーグとは
第2種(ユース、高校生)年代において、2010年までは日本を9地域に分けて実施するプリンスリーグが実質一部リーグでしたが、より高いレベルでより熱い戦いをすることを目的に2011年からは全国規模のリーグ戦へと姿を変え、プレミアリーグと銘打って上位20チームが東西10チームずつに分かれ約1年に渡ってホーム&アウェー方式で試合を行い、リーグ戦終了後に東西の1位同士がチャンピオンシップで対戦して年間王者を決めることになりました。
(今季プレミアリーグに参加する全20チームについてはこちらから御確認ください。)
横浜F・マリノスユースとプレミアリーグ
しかしながら、マリノスユースは2010年のプリンスリーグ関東での成績が振るわなかったためプレミアリーグへの参戦とはならず、2011年以降も実質二部リーグに当たるプリンスリーグ関東での戦いを繰り広げていました。
ですが、和田昌士選手、遠藤渓太選手、吉尾海夏選手、原田岳選手ら擁した2015年のマリノスユースはプリンスリーグ関東で優勝し、その後広島で行われたプレミアリーグへの参入戦でも勝ち抜いたことにより、昨年からはプレミアリーグに戦いの舞台を移すことになりました。
迎えた2016年、マリノスユースとして初めてプレミアリーグという舞台に臨んだものの開幕から4試合勝ち星なしという状況に陥りましたが、第5節の流通経済大学付属柏高校戦にてロスタイムでの逆転勝利をキッカケに以降は白星を積み重ねていき全18節に渡って熱戦を繰り広げ、一時は優勝の可能性もありましたが、15、16、17節とシーズン終盤の大事なところで3連敗してしまったことによって最終的に5位という結果でシーズンを締め括ることになりました。
2017年のプレミアリーグは、4月8日開幕
横浜F・マリノスユースのみどころ
そして今季2017年。
来たる4月8日にプレミアリーグEASTが開幕します。
ユース、即ち高校生ですので当然ながら毎年選手が入れ替わり、各チーム前年までの戦力を維持することが困難ではありますが、マリノスユースとしてみた場合に選手もさることながら今年は監督が代わりました。
2009年から(2014年を除く)昨年2016年までは松橋力蔵氏が監督を務めていましたが、御存知のようにトップチームのヘッドコーチになったため、昨年までコーチだった西谷冬樹氏が新たにユースの監督に就任することに。
監督が代わったこともあり、今季はどんなサッカーを展開するのかと胸を弾ませ2月に行われた神奈川県クラブユース新人戦や幾つかの練習試合を観戦してきましたが、新チームになって間もないこともあり、まだまだ手探りな印象を持ちましたが、言い換えればここからどう成長していくのかが非常に楽しみなところです。
対戦相手の紹介:大宮アルディージャユース
プレミアリーグEAST開幕戦の相手は大宮アルディージャユースです。
かつて日本サッカーの御三家と言えば静岡、広島、埼玉であったため、その埼玉県内において大宮アルディージャのアカデミーは云わば後発組に当たりますが、近年は各年代の主要な大会において確かな実力を示していると言えます。
2015年の夏に行われたクラブユース選手権にて決勝まで駒を進めましたが、その際はマリノスユースが5-3で打ち合いを制して優勝したために云わば大宮アルディージャユースの夢を打ち砕いた形となりましたが、この試合に関しては記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
大宮アルディージャユース
2016年:プレミアリーグEAST 4位
2015年:プレミアリーグEAST 3位、クラブユース選手権 準優勝
2014年:プリンスリーグ関東 優勝
大宮アルディージャジュニアユース
2013年:U-15高円宮杯 準優勝
2012年:U-15高円宮杯 準優勝
2012年:U-15関東リーグ(1部) 優勝
1999年にトップチームの監督を務めていたのがピム・ファーベーク氏ですが、彼に影響を受けて以後トップチームからアカデミーまで、オランダスタイルを踏襲した「ダッチ・フットボール」を掲げているのが大宮アルディージャです。
ちなみに現在トップチームの監督を務めている渋谷洋樹氏は1999年当時ユースの指導者であり、「ダッチ・フットボール」とは簡単に言えば攻守において主導権を握ることです。
そして、理想とするサッカー実現のため、ピッチを広く使い、特に2列目の選手達が流動的に動いてスペースを作り、その味方が作ったスペースを突く流れを徹底していて攻撃のバリエーションが豊富であると昨年の大宮アルディージャユースからは印象を持ちました。
対する我らがマリノスユースもアプローチは違えど、主導権を握る試合運びを目指すという点においては共通するものがあります。
時間帯によって遅攻型のパスを回してばかりでなく、速攻型の素早くゴールを目指して押し切ろうとする時も想定されますが各状況に応じて最善のプレーをするべくハートは熱く、頭は冷静に戦っていければと思います。
両チ―ムの注目選手
横浜F・マリノスユース:MF 10 山田 康太
山田 康太(やまだ こうた)3年生
1月に行われたトップチームのタイ遠征に同行し、試合出場した際には遠藤渓太選手へのアシストを記録、また自らも得点をしたことによって強烈なインパクトを残したことにより既に皆さんも御存知かと思います。
昨年10月にはマンチェスターシティへの短期研修に派遣され、2年連続で今季もトップチームの試合にも出場できる二種登録をされたことからも分かるようにクラブとしても期待を寄せている選手と言えます。
ちなみに今年のマリノスユースのキャプテンです。
主にセントラルMFを主戦場とし、マリノスユースの攻撃の要として非常にインテリジェンス性が長けた選手でありプレーエリアも広いことから、彼のパスや動きによって大宮アルディージャユースの守備陣を切り裂けるかが勝負のポイントになるでしょう。
大宮アルディージャユース:DF 5 大塚 力也
大塚 力也(おおつか りきや)3年生
ロングフィードに魅力を感じるが、競り合いも得意としているCBです。
だが、何といっても彼は「マリノスのプライマリー」出身であるため、この試合に賭ける想いは強いはずだから、先ずは気持ちの面で負けないようにしたい。
大宮アルディージャユース:FW 10 奥抜 侃志
奥抜 侃志(おくぬき かんじ)3年生
昨年は2年生ながら18試合全てにスタメン出場して4得点を記録し、2月に行われたトップチームの宮崎キャンプに参加した際には練習試合で大学生チーム相手に得点しています。
身長171cmでFWとしてはどちらかと言えば小柄な部類に入るが、一瞬の速さに光るものがあり選手と選手の間や裏でボールを受けようとする意識が高く、また自らも斬れ味鋭いドリブルを得意としているアタッカーであるため、守備陣形が切り崩されたりマークが分断されないようにしたい。
観戦情報(日時・場所など)
2017年4月8日(土曜)10:30 キックオフ
高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEAST
横浜F・マリノスユース vs 大宮アルディージャユース
会場:味の素スタジアム西競技場
(京王線「飛田給」駅より徒歩10分)
今後の日程
・プレミアリーグEAST第2節
4月15日(土曜)14:00~ vs 柏レイソルU-18
(日産フィールド小机)
・プレミアリーグEAST第3節
4月23日(日曜)15:00~ vs 京都サンガF.C.U-18
(京都サンガF.C.東城陽グラウンド)
・プレミアリーグEAST第4節
4月30日(日曜)14:00~ vs 清水エスパルスユース
(日産フィールド小机)
※ 各試合、無料で観れます。
text:はち(@hachhing)