Web Magazine hamatra

スタジアムを熱く、楽しくする横浜F・マリノスサポーターのためのウェブマガジン「Web Magazine hamatra」(ウェブマガジン ハマトラ)  Presented by NPO法人ハマトラ・横浜フットボールネットワーク

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hamatra My First Game 009:akira(2010年12月4日vs大宮アルディージャ@日産スタジアム)

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マリノスが好きになったキッカケは何ですか?
今の観戦や応援スタイルに行き付いたキッカケは何ですか?

あの試合があったから今がある。
あの試合があったからここにいる。

そんな思い出に残っている試合を語ってもらう My First Game

今回は、akiraさんによる2010年12月に行われたvs大宮アルディージャの試合です。

今回は「akira」さん(自己紹介)

akiraと申します。

21番が好きです。
飯倉大樹ではなく、“21”っていう数字そのものが好きです。
ホームもアウェーも観に行く湘南生まれのマリサポ7年生。


「My First Game」以前のきっかけ

2010年に開催されたFIFAワールドカップ南アフリカ大会で、当時大学生だった私は夜更かししたり早起きしたりして日本代表の試合をリアルタイムで観戦。
それまでほんのりと抱いていたサッカーへの関心が一気に高まりました。

「代表もいいけど、せっかくだしJリーグを観に行ってみたいなぁ」と思っていたとき、友人のひとりがマリノスサポーターだということを思い出しました。
そして、夏休みの終わりごろに連れて行ってもらって初観戦(vsアルビレックス新潟@日産スタジアム、○3-0)。
続いて三ツ沢デビュー(vsサンフレッチェ広島、○2-1)も果たし、その頃には時間が合えばBSなどで観戦するようにもなっていました。

シーズンが終盤に差し掛かった頃、マリノスは中澤佑二と栗原勇蔵のレギュラーCBコンビが負傷離脱。
2人が抜けてからは3連敗を喫するなど不調が続きました。
そんな中で迎えた第33節のガンバ大阪戦、マリノスは試合開始直後から立て続けに奪った2ゴールを、4-4-2の見事なブロックで守り抜き勝利。
波戸康広と共にCBを務めたあの選手が印象に残った試合でした。

www.youtube.com


「My First Game」

2010年12月4日(土)
Jリーグ ディビジョン1 第34節
横浜F・マリノス 0-2 大宮アルディージャ
@日産スタジアム
得点者:39'坪内秀介(大宮) 90+3'李浩(大宮)

Jリーグ公式記録

youtu.be


マリノスサポーターになると決めた日

私が、マリノスサポーターになると決めた日は、この年のリーグ最終節(ホーム最終戦)でした。

スタジアムで観たマリノスの試合では初めての敗戦でしたが、負けたことの他に試合内容について覚えていることはほとんどありません。
終盤にダメ押しのゴールを許し、ほんの少しの脱力感があったくらいです。
ただ、この試合については、やはり彼のことが思い出されます。

マリノス一筋16年ながら契約満了に伴い、来季の契約を更新しないとクラブより通達された松田直樹
数々の伝説に裏打ちされた破天荒さと、ともすれば少年のようにまっすぐな心を持っていたトリコロールのバンディエーラが、それまで苦楽を共にしてきたファン・サポーターに別れを告げる日だったのです。

試合終盤に河合竜二との交代で入ってきたときからずっと、そして試合後も止まぬ彼のチャント。
当時その選手については「元日本代表のディフェンダー」という程度しか知らなかったのですが、その夜は彼の偉大さを、これ以上ないくらいに痛感した夜となりました。

「俺マジサッカー好きなんすよ。マジでもっとサッカーやりたいっす」

このひと言が特に知られていますが、一方で松田直樹はこのスピーチの中で何度もマリノスサポーターに謝意を述べていました。
「マリノスのサポーターは、マジで、最高っす」
「こんな時間でみんなへの気持ちは伝えられないです」
そのことが特に印象に残った私は、スタジアムを後にする頃には決めていました。
「こんなに熱い想いを持っている人が心から愛したクラブのサポーターに、俺はなろう」と。

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あの日、心に刻まれたこと

私の隣でかすれた涙声を精一杯出しながらチャントを歌っていた友人のように、特別な感情を抱きながら日産スタジアムに足を運び、一秒一秒を噛みしめるようにあの日の試合を観た方は少なくないと思います。

残念なことに、そうした人々の気持ちを深く理解できるほど、私は彼と共に時間を過ごしてはいません。
しかし、「松田直樹はたったひと言で私にも強烈な影響を残していった」ということは、これから先もずっと忘れることはないでしょう。

自分がサポーターになる「きっかけ」をくれた人はクラブを去っていくというのに、私の決心はどういうわけか非常に固いものでした。
いまでも当時の自分自身が不思議に思えて仕方ないのですが、何度夜を明かしても揺らぐことがありませんでした。

そして、あれから7年が経とうとする今も変わらず、ゴール裏スタンドのあるところで声を出して応援しています。

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あの日、あの時を思い出させるフラッグ

今回は私にとっての「きっかけ」を綴ることがメインなので、この後の彼のことに触れるのは控えます。
ただ、あの日背番号3がくれた「きっかけ」を経て多くの人々と知り合い、つながり、そして数々のドラマを共に目にする機会に恵まれました。
特に、2015年に仲間と行った松本アウェー遠征は忘れられない思い出のひとつになっています。

ここまで短いながらもたくさんの出来事がありましたが、私のマリノスサポーターとしての原点は間違いなくあの試合でした。
そして、そのことをいつも思い出させてくれるのが、今季もスタジアムに掲げられている「Guardian del Estadio」のフラッグです。
いろいろなスタジアムであの幕を目にするたび、あの日から今日までの出来事がフラッシュバックし、そして熱い思いがこみ上げてきます。

数え切れないほど多くの想いがスタジアム中を駆け巡っていたあの日のことを書くかどうか、正直悩みました。
自分にとってピッタリな試合は他にないか、しばらく考えていました。
ただ、やはり私の中ではこの試合こそが最大の「きっかけ」でした。


次回の「My First Game」

この企画は、記事を書いた人が、次に書く人を指名するリレー形式で進行していきます。

次回の「My First Game」は、こんとれーるさんにリレーします。



text:akira(@akiras21_
edit:はち(@hachhing

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