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hamatra match preview 010:地に足を付けて、今一度「一丸」に。 〜 【2017 明治安田生命 J1リーグ 第24節】 vs FC東京

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相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。

今回は明治安田生命J1リーグ第24節 FC東京編。

試合情報

2017 明治安田生命 J1リーグ 第24節
vs FC東京
2017/08/26(土) 19:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)

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チーム成績状況

現在の順位

横浜F・マリノス
順位 勝点 試合 得点 失点 得失
5 44 23 13 5 5 30 17 13
FC東京
順位 勝点 試合 得点 失点 得失
10 33 23 9 6 8 30 26 4

リーグ直近成績

横浜F・マリノス
直近
2試合前

3試合前

4試合前

5試合前

0-0
神戸(A)

1-0
鳥栖(H)

2-0
札幌(A)

2-0
新潟(A)

2-2
清水(H)
FC東京
直近
2試合前

3試合前

4試合前

5試合前

1-2
浦和(A)

1-0
神戸(H)

2-1
大宮(A)

1-1
川崎(A)

1-1
新潟(H)

過去の直接対戦成績

 vsFC東京: 41戦16勝16敗9分 (44得点48失点)

 (うち、ホームゲーム:20戦9勝9敗2分 20得点20失点

分析対象試合

2017 明治安田生命 J1リーグ 第23節
浦和レッズ2-1 FC東京
@埼玉スタジアム2002
得点者:17'&30'興梠慎三(浦和) 22'橋本拳人(東京)

公式記録/レポート
www.jleague.jp

プレー傾向:FC東京

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[第23節 浦和戦スターティングメンバー]

守備

  • 高い位置でのボール奪取を意図し、積極的にFW・インサイドハーフがアプローチを掛ける。誰が、どこに、という役割分担に曖昧さが残り、連動性も薄く単発傾向。
  • インサイドハーフのアプローチ意識の高さのデメリットとして、アンカー脇のスペースが空く。
  • ストッパーとウイングバック間にギャップが開くと、スライドできず穴が生まれる。
  • セットプレーはマンマーク。

攻撃

  • トップがポジションを落とし楔を引き出し、ウイングバックが裏を取る形に再現性が見られ、2試合連続で得点を生み出す。大久保嘉人、ピーター・ウタカのキープからの室屋成のランニングを使うプレーにクオリティ。
  • 高萩洋次郎、中島翔哉、大久保嘉人と質の高いミドルシュートを打てる選手が多数。
  • インサイドハーフのオン・ボールでのチャンスメイクはほぼなく、スペースへのランニングなどが役割。
  • セットプレーはボールスピードと精度の伴う太田宏介の左足が軸。

全体

3人のJリーグ得点王(前田遼一、大久保嘉人、ピーター・ウタカ)、北京・ロンドン・リオ五輪代表の背番号10(梶山陽平、東慶悟、中島翔哉)、世界を沸かせた快速アタッカー(永井謙佑)に広島を頂点に導いたテクニシャン(高萩洋次郎)…錚々(そうそう)たるメンバーでまさに豪華絢爛。一人一人が勝負を決めれるクオリティを持つだけに、攻めに出た時の迫力と精度には脅威を感じずにはいられない。

しかし、23節終了時点で10位。中位に甘んじていることには理由がある。チームコンセプトの不徹底、曖昧さ残るディティール、それが組織の脆弱性に繋がっていることだ。

例えば、高い位置からのプレッシングを掛けるコンセプトがありながら、アプローチを掛ける選手に連動せず低い位置でゾーンを埋める選手がいたり、アプローチの開始位置や選手がコロコロ変わったり。その結果、プレッシングが機能せず、ファイトオーバー的にアプローチを掛けた選手が空けたスペースというリスクを被っている。

豪華絢爛な選手達が持ち得るクオリティを発揮する一面が顔を出すか、脆弱性が露わとなる不安定な一面が顔を出すか、蓋を開けてみないとわからないというのがFC東京というチームかも知れない。

キープレーヤー

No.8 高萩洋次郎

オーストラリア・韓国でのプレーを経て2年ぶりにJリーグ復帰した高萩洋次郎は大きな変貌を遂げていた。華麗なテクニックとセンスで攻撃を彩るエレガントなテクニシャンから、激しい守備やリスク管理もこなす中盤のオーガナイザーへ。その変貌ぶりは驚きしかなかった。

現状では、損な役回り。チームのコンセプトと完成度の兼ね合いでアンカーである彼の周辺にはスペースが空くことも多く、その泥を被ることも多々。また、リスク管理上、持ち得る才覚を発揮するようなシチュエーションも少ない。

そんな彼がリスクを背負い、前に出てきた時の迫力は目を見張るものがあった。アタッキング・サードへ侵入し、強烈なミドルシュートを見舞うとポスト直撃。改めてその持ち得る力の大きさを感じたシーンだった。

守備に奔走させるか、才覚を発揮するか、高萩洋次郎に注目だ。

キープレー

「ストッパー誘導によるスペースメイク」

ストッパーがアタッカーの動きによって中央に引っ張られると、大外をケアするウイングバックとのギャップが大きく開く。しかし、ウイングバックは外のケアを意識しすぎるがあまり、ギャップを埋めるスライドを行わないことが多々。このギャップを使わない手はない。

浦和戦では2つのピンチがこの脆弱性から生まれていることを見ても、東京の3バックが抱える大きな弱点。

齋藤学、マルティノスがウイングバックを引き付け、ウーゴ・ヴィエイラ、天野純辺りがストッパーを内に誘導すればギャップは開く。そこに突撃するのはボランチか、サイドバックか。この形から伏兵の一発を期待したい。

総括

上が見えてくると欲が出てくる。先を見て嘆きたくなる気持ちもわかる。

しかし、上を見ても、先を見ても、何も掴めるわけじゃない。目の前の試合で結果を出してこそ。それは、これまでも、これからも変わらない。

浮き足立たずに地に足を付け、そして「一丸」となって、目の前の試合を、一つ一つのプレーを大事に積み上げていこう。

タレントを揃えたオールスターチーム、簡単に勝たせてくれる相手じゃない。全ては勝利のために、一つになろう。

   
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)

   

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