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今回は、2018 明治安田生命J1リーグ第9節 湘南ベルマーレ編。
試合情報
2018 明治安田生命 J1リーグ 第9節
vs 湘南ベルマーレ
2018/04/21(土) 16:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 13:30 | 一般開門 14:00)
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
16 | 8 | 8 | 2 | 2 | 4 | 7 | 11 | -4 |
湘南ベルマーレ
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
15 | 8 | 8 | 2 | 2 | 4 | 6 | 9 | -3 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 1-2 神戸(H) |
● 1-3 広島(A) |
△ 1-1 川崎(H) |
○ 1-0 清水(A) |
○ 1-0 浦和(A) |
湘南ベルマーレ
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-2 広島(H) |
● 0-1 札幌(A) |
◯ 2-1 鹿島(H) |
● 1-2 C大阪(A) |
● 0-1 F東京(A) |
過去の直接対戦成績
vs湘南ベルマーレ 28戦19勝7敗2分 (59得点30失点)
(うち、ホームゲーム:14戦8勝6敗0分 (27得点21失点))
分析対象試合
2018 明治安田生命J1リーグ 第8節
湘南ベルマーレ 0-2 サンフレッチェ広島
@ ShonanBMWスタジアム平塚
得点者:51'&80'パトリック
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:湘南ベルマーレ
守備
- 切り替え早く、ボールホルダーに強い圧力を掛ける。プレスバックも多く、守備参加する意欲が旺盛。
- ずるずるとラインを下げない。ラインを止めて、コンパクトな守備陣形の維持を意図。
- 強度の高いプレスも外されることも多々、勢い重視で一発でかわされてしまったり、ワンタッチでいなされることも。
- CKの守備はニアにストーン2枚を置いたマンツーマン。サイズに不安。
攻撃
- 縦方向に速く、シンプルにボールを前に運ぶ。多少アバウトな側面はあれど、躊躇しない。
- トップのフリックからシャドーのオーバーテイク、楔に対してスプリントを伴うサポート、対角線のフィードからのワンタッチでの折り返し、ワンツーに寄る裏取りなど、様々なバリエーションに再現性。
- 前方向でのインターセプトなどスイッチの入るボール奪取からのカウンター時には、複数選手が長距離スプリント。そのカウンターに厚みと迫力。
- 山根視来の機を見た攻撃参加など、守備陣の思い切りに特徴も、ボールを持たされた時及び深く押し込んだ時のアイデア・精度に難。
全体
遠藤航、永木亮太、菊池大介、三竿雄斗…
毎年のように軸となるプレーヤーを引き抜かれても尚、情熱の指揮官チョウ・キジェに導かれた湘南は、1年でJ1に帰還した。
一世を風靡したスプリントを全面に押し出す強度の高いプレーイズムは変わらずも、そのディティールには変化が見られるか。再現性のある攻撃パターンが複数仕込まれ、ゲームの中でもそれが見て取れる。 広島戦では、左のストッパー杉岡大暉のピッチを斜めに切り取る対角線のフィードを用い、右ウイングバック岡本拓也が裏を取る形にクオリティが伴い、広島の守備陣を崩す可能性を示した。
また、若いタレントの積極的な起用が実を結んでいることも見逃せない。
昨シーズン開幕からレギュラーポジションを掴んだ前述の杉岡大暉はもちろんのこと、大卒ルーキーの松田天馬、広島戦がデビューとなる坂圭祐らを先発で送り出し、その二人も見事に期待に応えてきっちりプレーできている辺り、このチームの育成の質を感じずにはいられない。それこそ、坂圭祐が絶好調のパトリックと対等以上に渡りあっていたのは大きな驚きだった。
明確なコンセプトと育成メソッド。この両輪が回る限り、湘南は沈まない。
キープレーヤー
No.18 松田天馬
開幕戦でアシストを記録すると、川崎戦ではチームを救うプロ初ゴールを上げる活躍を見せ、一気にシャドーのレギュラーを獲得。ベビーフェイスのルーキーは湘南にとって新たな希望となりつつある。
そのプレースタイルは非常に強気。
コースが開けば体躯に似合わないパンチ力でミドルを狙い、抜群の旋回性能とキレを活かしての仕掛けも魅力的で、チョウ・キジェが起用に踏み切るのもよくわかる好選手。
相手に取ってみたら勢いあるプレーヤーは嫌なもの。
彼が持つエネルギーと勢いがサプライズを起こすか、小柄な18番に注目だ。
キープレー
「アタッキングサードの質」
横浜は、毎試合変化あるビルドアップで試合を支配する時間が増えるものの、なかなかゴールが生み出せず、複数得点に至らない。今の横浜の最大の課題であり、ポゼッションして攻撃するチームにとっての永遠のテーマでもある。
自分達がボールを握れば、相手は守備に人数を揃える。それを崩すのは決して簡単なことではない。しかし、手をこまねいてばかりもいられない。相手のバランスを崩すためのポジショニング、ディティール、アイデア、そしてゴールを導き出すための精度…一朝一夕に質は上がるものではないにせよ、挑戦し続けることが肝要である。
この試合で一つの答えが導き出せるように、自信を掴むために、この試合で結果が欲しい。
総括
結果が出ないときって苦しい。苦しいと弱さが顔を出す。
信じるべきものを信じられなくなったり、違う道に可能性を求めたくなったりもする。
しかし、魅力的なフットボールを作り上げるための道は一つ、そして信じるべき道も一つ。貫いてほしい。それが輝かしい未来に繋がると信じてる。貫け、横浜。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)