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今回は、2019 明治安田生命J1リーグ第26節 サンフレッチェ広島編。
試合情報
2019 明治安田生命 J1リーグ 第26節
vs サンフレッチェ広島
2019/09/14(土) 19:00キックオフ
@ ニッパツ三ツ沢球技場
(年チケ開門 16:30 | 一般開門 17:00)
チーム成績状況
現在の順位
順位 | チーム名 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | F東京 | 52 | 25 | 16 | 4 | 5 | 18 |
2 | 鹿島 | 48 | 25 | 14 | 6 | 5 | 23 |
3 | 横浜 | 45 | 25 | 14 | 3 | 8 | 13 |
4 | 広島 | 43 | 25 | 12 | 7 | 6 | 15 |
5 | 川崎 | 41 | 25 | 10 | 11 | 4 | 14 |
6 | C大阪 | 40 | 25 | 12 | 4 | 9 | 8 |
7 | 札幌 | 39 | 25 | 11 | 6 | 8 | 12 |
8 | 大分 | 36 | 25 | 9 | 9 | 7 | 4 |
9 | 名古屋 | 31 | 25 | 8 | 7 | 10 | 0 |
10 | 湘南 | 31 | 25 | 9 | 4 | 12 | -6 |
11 | 浦和 | 31 | 25 | 8 | 7 | 10 | -11 |
12 | 神戸 | 29 | 25 | 8 | 5 | 12 | 1 |
13 | 清水 | 29 | 25 | 8 | 5 | 12 | -26 |
14 | G大阪 | 28 | 25 | 6 | 10 | 9 | -6 |
15 | 仙台 | 28 | 25 | 8 | 4 | 13 | -9 |
16 | 鳥栖 | 27 | 25 | 8 | 3 | 14 | -18 |
17 | 松本 | 24 | 25 | 5 | 9 | 11 | -14 |
18 | 磐田 | 18 | 25 | 4 | 6 | 15 | -18 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 3-1 G大阪(H) |
○ 5-1 名古屋(A) |
● 1-2 C大阪(H) |
● 1-2 鹿島(A) |
● 0-1 清水(H) |
サンフレッチェ広島
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 2-0 磐田(A) |
△ 0-0 大分(H) |
○ 1-0 F東京(A) |
△ 1-1 G大阪(A) |
○ 1-0 札幌(H) |
過去の直接対戦成績
vsサンフレッチェ広島
通算: 66戦 37勝 21敗 8分 (116得点93失点)
ホーム: 34戦 21勝 9敗 4分 (70得点48失点)
分析対象試合
2019 明治安田生命J1リーグ 第25節
ジュビロ磐田 0-2 サンフレッチェ広島 @ ヤマハスタジアム
得点者:47'レアンドロ・ペレイラ(広島) 69'柏好文(広島)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:サンフレッチェ広島
守備
- 静的かつコンパクトな5-4ブロックを形成し、ハーフラインから守備をスタート。相手にボールを握らせることについては許容。
- ウイングバックが最終ラインに、2シャドーがサイドに落ちる。
- アプローチで空いた穴を縦位置の選手が落ちて埋める意識が強い。ストッパーがアプローチに出たらボランチが落ちる、といった形。
- 前を塞ぎつつコースを制限し、次に取るであろう選択肢を狙う。グループとしてボールを奪う傾向。
- 長い楔に対してはシビアに。カウンター時にはファウルも辞さず。
- 攻撃に掛ける人数を過度に掛けず、常に人数がいる状態を作る。
- CKの守備はフルマンツーマン、ニアゾーンにストーンを3枚置くことも。
攻撃
- ウイングバックが幅を取り、1トップが深みを作る。ボールポイントに応じて、2シャドー及びボランチの2枚がフォロー・サポート・裏へのダイナミズムアクションを臨機応変に行う。
- 柏好文・ハイネルのウイングバックの突破アクションや裏へのランニングから攻撃がスピードアップ。彼らがクオリティを示すことで攻撃に怖さが生まれる。
- ポゼッション時、3バックが幅を取り、ウイングバックを高い位置に押し出す。
- 急がず、ボールを動かし、相手のバランスが崩れることを「待てる」「見れる」。機を見い出したときにダイナミズムアクションを付随して、崩しにかかる。
全体
14節に札幌に敗れてから11戦負けなし(6勝5分)、じわじわと広島が来た。
このチームの最大の特徴は、堅守を軸にした「ゲームコントロール」。
以前森保一が率いた時もそうだった、状況に応じてゲームを殺すことも厭わない。
じっくりと、耐えるべきを耐え、焦れずに、急がず、機が訪れるのを待つ。相手の隙が見えなければ、無理には攻めない。それは、城福浩の元でも変わらない。相変わらず広島は、いやらしい。
それが出来るのも守備の安定感があるからこそ。
- 素早い帰陣によるブロック形成
- アプローチで空いた穴のカバーリング
- 制限と誘導によるミス誘発とボール奪取
- 危機的状況時のシビアな対応
組織としてオーガナイズされており、各選手それぞれが課されたタスクをきっちりと完遂する。ここ5試合で1失点。現在のJで最も安定感ある守備といっても過言ではない。
今季のリーグ戦の趨勢を争う上位決戦、相手にとって不足はない。
キープレーヤー
No.18 柏好文
キレのあるドリブルで優位に立ち、相手の警戒が薄くなればゴールに絡む。広島で最もクオリティをもたらすことができる左サイドのドリブラーは、既に8得点2アシストと自らのキャリアハイとなる結果を残している。
攻撃面での彼の貢献度は言わずもがな。守備時には5バックの一角として帰陣早く、穴を空けず、1on1で粘り強い対応をばっちりこなして、広島の堅陣の一翼を担っている。
広島の左サイドは彼の聖域。その聖域で彼にどのような対応を強いるのか。柏好文を巡る攻防に注目だ。
キープレー
リスクマネジメント
横浜がボールを握り、広島が受けつつ隙を伺う展開となることが予測されるが、広島がどのタイミングで出てくるのか。
攻めて焦れて攻撃に枚数を掛けてくるタイミングなのか、運動量が落ちスペースが生まれてくるタイミングか、はたまた横浜の出鼻をくじく形で序盤から攻めに出るのか。
それは城福浩の頭の中を覗くことでしか分からない。ただ、相手は横浜が隙を見せた時に牙を剥くはず。
攻めていることが優位ではない、広島は隙を狙っている。それを念頭に置き、常に準備をしておきたい。
総括
長いリーグ戦、必ずこういう試合が来る。
今季のリーグ戦の趨勢を決める大事な1節。
落とせば順位は入れ替わり、取れば大きく差が開く。
そして、このカードの裏では首位攻防戦となる東京と鹿島の一戦がある。
この試合を取れば、どのような形になるにしろ必ず上にいるチームとの差は縮まる。俗に言う6ポイントゲームである。
とはいえ、何度も、何度も、こういう試合で歯痒い思いをしている。こういう試合に勝たないと上には行けない、タイトルは取れない。
今、ここで殻を破る。その一点に集中し、そのために一丸となって、勝とう。それ以上に重要なことはない。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)