相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。
今回は明治安田生命J1リーグ第16節 ヴィッセル神戸編。
試合情報
2017 明治安田生命 J1リーグ 第16節
vs ヴィッセル神戸
2017/06/25(日) 18:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 15:30 | 一般開門 16:00)
・ホームゲームイベント情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
・チケット情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5 | 26 | 15 | 8 | 2 | 5 | 18 | 13 | 5 |
ヴィッセル神戸
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9 | 23 | 15 | 7 | 2 | 6 | 17 | 15 | 2 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 1-0 FC東京(A) |
○ 2-0 川崎(H) |
○ 3-1 清水(A) |
△ 1-1 仙台(H) |
○ 1-0 甲府(H) |
ヴィッセル神戸
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 1-0 G大阪(H) |
○ 2-1 札幌(A) |
● 1-2 C大阪(H) |
△ 1-1 FC東京(H) |
● 1-2 鹿島(H) |
過去の直接対戦成績
vsヴィッセル神戸: 42戦20勝10敗12分 65得点47失点
(うち、ホームゲーム:21戦11勝5敗5分 35得点23失点)
分析対象試合
2017 明治安田生命 J1リーグ 第15節
ヴィッセル神戸 0-1 ガンバ大阪
@ノエビアスタジアム神戸
得点者:70'長沢駿
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:ヴィッセル神戸
守備
- 4-4のブロックを組みつつ、ハーフライン近辺からアプローチを開始。
- アタッカー陣が精力的にアプローチ。アプローチのスピードが速く、寄せ切る意識が高い。
- カウンターのリスクマネジメントに甘さ。被カウンターの回数が多い。
- セットプレーの守備はゾーン。
攻撃
- 中盤でタッチ数少なくテンポよくパスを繋ぐ。バックパス少ない。
- パス&ムーブが徹底されており、追い越し・飛び出しのアクションも豊富。
- サイドバックの攻撃参加意欲が旺盛、ボランチもパス&ムーブの流れで高い位置に入る。攻撃に絡む人数が多い。
- ボランチのニウトンから幅を使うフィード。
- 田中順也のセットプレーのキックに鋭さ。
全体
久々の超大物、ルーカス・ポドルスキの合流が迫り、ハーフナー・マイクへのオファーも噂されるなど、非常に派手な話題が飛び交っている神戸周辺。
しかし、ピッチ外の喧騒とは対照的にピッチ内では名将・ネルシーニョの元、着実な積み上げを感じさせるパフォーマンスを示している。
印象として浮かぶ言葉は「徹底」。アプローチにしても、パス&ムーブにしても、各選手が徹底して遂行する。その徹底がプレーの質に、プレーの連動に繋がり、チームとして「線」になっていく。
現状、岩波拓也、橋本和、高橋峻希、高橋秀人、藤田直之と主力級の選手達が離脱中と台所事情は苦しいが(更にはエース・レアンドロをシーズン前に失うアクシデントにも見舞われている)、これだけの離脱者を抱えながらも尚、一定のパフォーマンスを示していることは地力の証明。
ネルシーニョ体制3年目、ネルシーニョのお眼鏡に適う駒が揃い、コンセプトも浸透している、となれば、難しい試合になると考えるのが妥当だろう。
キーマッチアップ
田中順也 vs 栗原勇蔵
思い返せば、やられてばかり。まさに天敵、それが"TJ"田中順也。
ただでさえ怖い天敵が、これまた天敵ネルシーニョと再びタッグを組むとなると、暗澹(あんたん)たる気持ちにならざるを得ない。事実、ルヴァンカップでは試合を決める2点目をアシストするなど、相性の良さを発揮している。
ただ、彼の立場も安泰ではない。若手の成長によりベンチを温めることも少なくなく、更にはルーカス・ポドルスキという超大物も加わる。ここで結果を残せなければ、更に立場は苦しくなる。彼にとってこの試合は単なる一試合ではない。
そんな田中順也の前に立ちはだかるはずの栗原勇蔵にとっても、この試合は今シーズンの自らの行く末を決めかねない勝負の試合だ。
今シーズン加入したオーストラリア代表ミロシュ・デゲネクの後塵を拝する形でベンチを温める日が続く中で、ようやく巡ってきたリーグ戦先発のチャンス。東京戦の完封でひとつインパクトを残したが、プライオリティを覆すためには更なるアピールが必要なのも事実。機会は限られているだけに、このチャンスは逃せない。
相性の良さを味方につけ悪魔の左足がうなりを上げるか、経験とパワーで天敵をねじ伏せるか、このマッチアップに注目だ。
マリノスのキープレー
「カウンター移行」
神戸はサイドバックやボランチも高い位置を取って攻撃に絡んでくる。厚みある攻撃は確かに脅威だが、その分後方にはスペースが広がり、マネジメントしきれずにカウンターを浴びているシーンも多々。
いかにいい守備をし、早い切り替えからカウンターに出れるか。特にキーとなるのが攻撃に移行する一つ目のプレー。ここでクオリティが伴えば、横浜の武器が生きてくる。
総括
清水戦、川崎戦、そして東京戦と趣の異なる試合を制しての3連勝。チームとしても少しずつ手応えと自信が芽生え始めている。
そんなタイミングでの天敵との邂逅。ネルシーニョは、これまで同様徹底した分析で横浜を丸裸にし、対策を携えてこの一戦に臨んでくることだろう。
対策を打たれ、上昇気流が萎んだリーグ序盤の反省を生かせるか。天敵を叩き、更なる自信を掴みたい。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)