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今回は、2019 明治安田生命J1リーグ第12節 ヴィッセル神戸編。
試合情報
2019 明治安田生命 J1リーグ 第12節
vs ヴィッセル神戸
2019/05/28(日) 14:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 10:30 | 一般開門 11:00)
チーム成績状況
現在の順位
順位 | チーム名 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | F東京 | 27 | 11 | 8 | 3 | 0 | 11 |
2 | 名古屋 | 23 | 11 | 7 | 2 | 2 | 13 |
3 | 大分 | 23 | 11 | 7 | 2 | 2 | 8 |
4 | 川崎 | 22 | 11 | 6 | 4 | 1 | 11 |
5 | 鹿島 | 20 | 11 | 6 | 2 | 3 | 5 |
6 | 札幌 | 19 | 11 | 6 | 1 | 4 | 2 |
7 | 横浜 | 18 | 11 | 5 | 3 | 3 | -1 |
8 | 広島 | 17 | 11 | 5 | 2 | 4 | 4 |
9 | 浦和 | 17 | 11 | 5 | 2 | 4 | -2 |
10 | C大阪 | 14 | 11 | 4 | 2 | 5 | 2 |
11 | 湘南 | 14 | 11 | 4 | 2 | 5 | 0 |
12 | 松本 | 12 | 11 | 3 | 3 | 5 | -5 |
13 | 神戸 | 10 | 11 | 3 | 1 | 7 | -4 |
14 | 仙台 | 10 | 11 | 3 | 1 | 7 | -6 |
15 | 磐田 | 9 | 11 | 2 | 3 | 6 | -3 |
16 | G大阪 | 8 | 11 | 2 | 2 | 7 | -7 |
17 | 清水 | 8 | 11 | 2 | 2 | 7 | -15 |
18 | 鳥栖 | 7 | 11 | 2 | 1 | 8 | -13 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-3 C大阪(A) |
○ 1-0 広島(A) |
○ 2-1 鹿島(H) |
● 0-3 札幌(A) |
△ 1-1 名古屋(H) |
ヴィッセル神戸
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-1 鹿島(H) |
● 1-2 札幌(A) |
● 1-2 川崎(H) |
● 0-1 浦和(A) |
● 2-4 広島(H) |
過去の直接対戦成績
vsヴィッセル神戸
通算: 48戦 23勝 11敗 14分 (75得点52失点)
ホーム: 24戦 13勝 6敗 5分 (42得点27失点)
分析対象試合
2019 明治安田生命J1リーグ 第11節
ヴィッセル神戸 0-1 鹿島アントラーズ @ ノエビアスタジアム神戸
得点者:17'セルジーニョ
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:ヴィッセル神戸
守備
- 受動的な4-4ブロック。各選手が広めの距離感でゾーンを受け持つ。
- 緩慢なトランジッションで後手気味の対応が目立ち、FW・MFの守備意識も希薄。
- 守備に関しての約束事や意図が見えない。ダンクレーの個人能力、キム・スンギュのビッグセーブに委ねている感。
- CKの守備はフルゾーン。
攻撃
- ゆったりとしたポゼッションが軸。選手間の距離を広めに取り、相手の距離を開かせる意図。内から外に広げるルートが多いか。
- ダンクレー、宮大樹といったセンターバックの選手が積極的にドリブルで持ち上がり、ビルドに関与。
- イニエスタの相手を外すスキル、クオリティのあるパスでイメージリーディング*1する形にクオリティ。
- ダビド・ビジャのマークから逃げる動きは秀逸。
全体
抜群の跳躍力と反応速度で試合毎にビッグセーブを魅せる韓国代表の守護神、キム・スンギュ。
パワーもスピードも兼ね備え、ビルドも出来るセンターバック、ダンクレー。
カンテラからトップへと登り詰めたバルサ純正プレーメーカー、セルジ・サンペール。
ドイツ代表の10番として歴代4位の得点数を誇るダイナマイトレフティ、ルーカス・ポドルスキ。
数々のビッグクラブを渡り歩き、スペイン代表としてはワールドカップとEURO制覇に導いたフィニッシャー(スペイン代表歴代最多得点記録保持者)、ダビド・ビジャ。
そして、バルセロナで、スペイン代表で魔法の杖を振るい続け世界中を魅了したコンダクター、アンドレス・イニエスタ。
まさにスーパースター軍団である。
その「らしさ」が出たのが第5節のガンバ戦。個々のクオリティが存分に発揮され、2度のビハインドを跳ね返して打ち合いを制した試合はまさに「スターチーム」らしい試合だった。
しかし、その後6連敗。ファンマ・リージョがクラブを離れ、吉田孝行に監督として再登板するという事象があったにせよ、このクラブが抱えているジレンマは根深い。スーパースターを抱えるが故か、チームとして強度・シビアさが不足し、脆さばかりが表面化してしまう状況にある。
スーパースターが輝くか、脆き組織が瓦解するか、今の神戸はそんなチームである。
キープレーヤー
No.8 アンドレス・イニエスタ
正確かつ繊細なタッチで次のプレーに移行しやすい場所にボールを置く、いとも簡単にダブルタッチで目の前のDFを外す、事も無げにエグいスルーパスを通す…その技術が発揮されるとき、神戸の攻撃のクラスが一気に上がる。改めて、アンドレス・イニエスタは伊達じゃない。
天野純がDAZNの特集プログラムにて絶賛していたが、パスを受ける前の一瞬の周辺状況の察知からの数歩のバックステップによる位置修正といったディテールは、共にプレーする選手はもちろん、サッカーがうまくなりたいちびっこ達にとっても生ける教本だ。
それが見れるのもスタジアムだからこそ。是非ともスタジアムで世界的名手の技術の粋を堪能してもらいたい。
キープレー
「リカバリー」
6連敗中の神戸にせよ、長居で完敗を喫した横浜にせよ、精神的なダメージは確実に存在する。不安、疑念、迷い…選手達の中に生まれてきたとしても不思議ではない。
終わったことは取り戻せない。いかにリカバリーし、クリアな状態でピッチに立てるか。試合に至るまでの時間こそ勝負を分ける試合と言えるのかもしれない。
プレーレベルを取り戻せるか。敗戦で得た糧を血肉と出来るか。チームとしてのメンタルタフネスが問われる。
総括
「ミナトマッチ」と銘打たれ、多くの観衆が集まると予想される一戦。
世界的名手を一目見ようと普段スタジアムに足を運ばない方もたくさん来場されるはず。せっかくの機会だから、とブラウ・グラーナ*2のシャツを着てくる方も少なくないだろう。
そんな試合で横浜に課されるタスクはひとつ。逞しく、美しき横浜のフットボールを取り戻し、試合に勝つこと。
一見さんが帰りにブラウ・グラーナからトリコロールへと着替えたくなるような試合をしよう。
横浜は強く、美しい。
それは僕らが一番よく知っている。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)