相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。
今回は、2018 明治安田生命J1リーグ 第3節 サガン鳥栖編。
試合情報
2018 明治安田生命 J1リーグ 第3節
vs サガン鳥栖
2018/03/10(土) 13:00キックオフ
@ ニッパツ三ツ沢球技場
(年チケ開門 10:30 | 一般開門 11:00)
・ホームゲームイベント情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
・チケット情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
16 | 1 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 3 | -2 |
サガン鳥栖
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 2 | 2 | 0 | 2 | 0 | 3 | 3 | 0 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-2 柏(A) |
△ 1-1 C大阪(A) |
- | - | - |
サガン鳥栖
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
△ 2-2 長崎(A) |
△ 1-1 神戸(H) |
- | - | - |
過去の直接対戦成績
vsサガン鳥栖 14戦9勝4敗1分 (16得点11失点)
(うち、ホームゲーム:7戦6勝1敗0分 (9得点4失点))
分析対象試合
2018 明治安田生命J1リーグ 第2節
V・ファーレン長崎 2-2 サガン鳥栖
@ トランスコスモススタジアム長崎
得点者:2'澤田崇(長崎) 35'鈴木武蔵(長崎) 60'高橋秀人(鳥栖) 84'鄭昇炫(鳥栖)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:サガン鳥栖
守備
- 3枚のアタッカーの内の1枚がサイドに落ちる形で、4-4のゾーンを形成。ラインは深め、静的な守備。
- 身体能力の高いアタッカー陣が精力的に追ってくるアプローチには、単発的ながら迫力。
- セットプレーはマンマーク。
攻撃
- シンプルな攻撃構築。身体能力の高いアタッカー陣を活かし、長いボールをスペースに飛ばすことでポイントを作る。
- 各選手の推進力やパワーが発揮されるカウンター、中央に人数を集めてのサイドからのクロスに迫力。
- ポゼッションを求められる状況は得意としていない。強いプレッシャーが掛かると行き場をなくし、プレー精度も落ちる。
- 180cmオーバーの選手が5~6人並び立つセットプレーは脅威。原川力のキックの質はリーグでもトップクラス。
全体
マッシモ・フィッカデンティ監督がインフルエンザ罹患により開幕戦ベンチ入りできず、エースと目されるビクトル・イバルボがコンディション不良で未だにピッチに立てていなかったりと、一抹の不安を抱えてのシーズンインとなった鳥栖。長崎との九州ダービーはその不安が表れるかのような試合となった。
アグレッシブな長崎のプレーに攻守で後手に回り、攻撃に移行するタイミングでの不用意なミスを突かれてまさかの2点ビハインド。
その後もほとんどポジティブな要素を示せぬまま前半45分を浪費してしまった。
しかし、システムを調整し、アグレッシブなプレーを再確認した後半は、前方向でのボール奪取、守備→攻撃の切り替えの速さでらしさを示し、ストロングとしているサイドアタックとセットプレーで追い付く。
後半の姿こそが本来の姿と言わんばかりの奮戦だった。
このチームの良さは守備で得た勢いを攻撃に変換できること。
勢いを生み出せない鳥栖に怖さはないが、勢いを纏った鳥栖は迫力があり、どのチームも手を焼く逞しさがある。
両極端な90分は、このチームの脆さと逞しさを示す90分。次の試合で見せる顔はどちらの顔か。
キープレーヤー
No.40 小野裕二
横浜が生んだやんちゃなサッカー小僧も25歳。
ベルギー移籍を経て日本に舞い戻った小野裕二は、長崎戦の出場でJ通算100試合出場を達成した。
高い身体能力と機動性を活かしてスペースに流れてポイントを作るダイナミックなプレー、クイックネスと感性を感じさせる小さなスペースでのアクセントプレーといった小野裕二らしいプレーは健在。マッシモ・フィッカデンティのオーダーとも重なるだけに、今シーズンは更にプレータイムを伸ばすはずだ。
フィニッシュシーンで力みすぎて枠を捉えきれなかったりと相変わらずの側面はあるにせよ、彼のプレーは勢いを生む。その勢いこそが最も怖い。
久々の横浜凱旋で水を得た魚となるか、気合が空回りするか … 小野裕二のプレーに注目だ
キープレー
セットプレー
・鄭昇炫(チョン・スンヒョン)(188cm)
・キム・ミンヒョク(187cm)
・高橋秀人(184cm)
・趙東建(チョ・ドンゴン)(180cm)
・田川亨介(181cm)
・ビクトル・イバルボ(188cm)
… これだけサイズのある選手を揃えるチームはJリーグではそうそうない。
そんな迫力あるラインナップに、リーグでも指折りのキッカーとして存在感を放つ原川力が、質の高いボールを供給する鳥栖のセットプレーは非常に危険な代物。
アンジェ・ポステコグルー体制に代わり、CKのディフェンスは「マンマーク」から「ゾーンとマンマークの併用」に切り替えられたが、元々サイズ的に苦しい横浜の陣容で鳥栖のセットプレーをいかに凌ぐかは大きなファクター。飯倉大樹の飛び出しを含め、集中力を保ってうまく対処したい。
総括
ホーム開幕戦となる今節、この試合が今シーズン初の観戦となる方も決して少なくはないと思います。
そんな人にこそ、チームでも最も挑戦的な姿勢を保つこの選手のコメントを読んでいただきたい。
「仮にうまくいかなくてもチャレンジし続ける姿勢だけは失わないように。このサッカーをやっていくにはそういう姿勢も絶対に大事だと思う。勇気や自信は絶対に大事になってくるポイント。自分たちで後ろ向きになってしまったら絶対に成立しない。どんなサッカーもそうでしょうけど、特に今、そう実感しているので、たとえミスが起こったりしても下向かないでやっていかないと。そのチャレンジの姿勢だけは失わずやっていきたい」 喜田拓也
挑戦する選手達を前に応援する人間がどう振る舞うべきか。答えはひとつだと思っている。
後ろ向きになるようなネガティブな声ではなく、勇気の一端を担う、自信を支えるポジティブな声援を、拍手を。
魅力的なサッカーを育めるかどうかは一人一人の姿勢に掛かっている。
皆でこのサッカーを育んでいきましょう。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)