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今回は、2018 明治安田生命J1リーグ第18節 清水エスパルス編。
試合情報
2018 明治安田生命 J1リーグ 第18節
vs 清水エスパルス
2018/07/28(土) 18:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 15:30 | 一般開門 16:00)
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
13 | 20 | 17 | 5 | 5 | 7 | 33 | 31 | 2 |
清水エスパルス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9 | 24 | 17 | 7 | 3 | 7 | 24 | 22 | 2 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 2-5 F東京(A) |
◯ 8-2 仙台(A) |
◯ 5-2 長崎(H) |
△ 1-1 G大阪(H) |
△ 1-1 名古屋(A) |
清水エスパルス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
◯ 2-1 G大阪(A) |
◯ 3-0 C大阪(H) |
● 0-3 川崎(A) |
◯ 4-2 湘南(H) |
● 1-3 鳥栖(A) |
過去の直接対戦成績
vs清水エスパルス 64戦29勝22敗13分 (88得点72失点)
(うち、ホームゲーム:30戦10勝14敗6分 (39得点41失点))
分析対象試合
2018 明治安田生命J1リーグ 第17節
ガンバ大阪 1-2 清水エスパルス
@ パナソニックスタジアム吹田
得点者:27'p北川航也(清水) 65'ドウグラス(清水) 75'ファン・ウィジョ(G大阪)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:清水エスパルス
守備
- 守備の開始位置を明確に設定し、静的な4-4のゾーンで相手の攻撃を受けるのが基本守備戦術。ポジションブレイク・ファイトオーバー少なく、お手本のようなゾーンディフェンス。
- コンパクトな陣形を維持しようと最終ラインと中盤の2ラインの距離を一定に保つ意識が強い。
- 中盤のアプローチが外れると大きくバランスが崩れ、バイタルが開く傾向あり。
- ロスト後の前を塞ぐアプローチで奪い切ればショートカウンター、遅らせて相手が遅攻に移行すればゾーンにスイッチ。行く・行かないの共通認識が取れている印象。
- セットプレーはマンツーマン。
攻撃
- ピッチの幅を広く使う意図。サイドハーフ・サイドバックがタッチライン際にポジションを取る。
- ゴールへのアプローチは非常にシンプル。ロングクロス、裏を取るスペースへのパスなど、2トップを常に意識した選択。
- 奪った一つ目のパスをワンタッチで前へ、ポジティブトランジッション時の移行が非常にスムーズ。
全体
ディシプリン、ソリッド、シンプル。
スウェーデン人監督ヤン・ヨンソンが作るチームは、ワールドカップでも奮戦したスウェーデン代表に通じるものがある。
4-4-2のシステムにおける各選手の役割・タスク、状況に応じたプレーセレクトの基準ははっきり。タスクが明確化されることで一つ一つのアクションに迷いがなくなり、動き出しも早くなる。俗に言う「オートマティズム」が生まれ始めているように感じ取れた。
元々、若い選手がスターティングメンバーに多く名を連ねるチーム。結果に繋がれば自信が生まれ、勢いが出る。その自信が更なるプレーの質を高めていく。
ストロングポイントとなりつつある左サイドバックの松原后、
怪我から復帰しセントラルMFとして新境地を開拓しつつある白崎凌兵、
鋭いドリブルだけではなく変化を与えるポジショニングで攻撃にアクセントをつける金子翔太、
そしてエースとして開花しつつある北川航也、
…皆進境著しく、以前対戦した時とは違う選手になっている。
中断明けセレッソ、ガンバと立て続けに破ったことはフロックではない。
キープレーヤー
No.23 北川航也
清水の期待を一身に受ける若き万能ストライカー。
裏に抜けてよし、足元で受けて仕掛けてよし、浮き球を捉えるテクニックよし、フィニッシュセンスよし、ゴール前での冷静さよし。
その全能感溢れるプレーには以前から大きな可能性を感じずにはいられなかったが、ヤン・ヨンソン就任後にレギュラーポジションを掴み、結果を残し続ける彼は今シーズン「化ける」かもしれない。
若き清水を象徴する彼が点を取れば清水は乗る。彼を抑えるか否かはゲームの趨勢を占う上で大きな焦点となりそうだ。
キープレー
センターバックの迎撃
ポジショナルプレーにおけるネガティブトランジッションアクションとして、ボールホルダーに対してのアプローチ、周辺のプレーヤーのパスコースを消すポジショニングが強調されるが、もう一つ重要な要素として、回避策として取られるFWへのロングボールをセンターバック(+アンカー)が前に出て潰すことが上げられる。
しかし、ここで潰せなかったのが前節。強靭なディエゴ・オリヴェイラを潰すことが出来ずに次々とボールを収められ、カウンターを喰らいまくった。
そして、今節。清水にも強靭なFWが揃う。主戦FWであるクリスランはもちろんのこと、夏の移籍市場で広島を優勝に導いたドウグラスも加入。彼もまた強靭でタフなストライカーだ。
彼らを潰せなければ全ては水泡に帰す。横浜のセンターバックは矜持を示せるか。
総括
決戦、大勝、大敗。
感情を大きく揺さぶられるリスタートに、誰もが戸惑いを隠せないのが素直なところなのかもしれない。
ただ、このチームの軸は少しも揺らいでいないはず。プレーコンセプトも、オフェンシブなイズムも、失敗に折れないメンタルも。
揺らがないアンジェ・ヨコハマのリスタート、応援する側もタフに背中を押していきたい。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)