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今回は、2018 明治安田生命J1リーグ第6節 川崎フロンターレ編。
試合情報
2018 明治安田生命 J1リーグ 第6節
vs 川崎フロンターレ
2018/04/08(日) 16:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 13:30 | 一般開門 14:00)
チーム成績状況
現在の順位
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 7 | 5 | 2 | 1 | 2 | 4 | 5 | -1 |
川崎フロンターレ
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 10 | 5 | 3 | 1 | 1 | 7 | 2 | 5 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 1-0 清水(A) |
○ 1-0 浦和(A) |
● 1-2 鳥栖(H) |
● 0-2 柏(A) |
△ 1-1 C大阪(A) |
川崎フロンターレ
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
● 0-1 広島(H) |
○ 1-0 名古屋(A) |
○ 2-0 G大阪(H) |
△ 1-1 湘南(H) |
○ 3-0 磐田(A) |
過去の直接対戦成績
vs川崎フロンターレ 39戦16勝17敗6分 (56得点51失点)
(うち、ホームゲーム:20戦11勝6敗3分 (36得点22失点))
分析対象試合
2018 明治安田生命J1リーグ 第5節
川崎フロンターレ 0-1 サンフレッチェ広島
@ 等々力陸上競技場
得点者:85'パトリック(広島)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:川崎フロンターレ
守備
- 奪われた後すぐさま奪い返そうとするプレスディフェンスは健在。複数人がボールサイドに収縮し、球際激しく、高い位置で奪い返す。
- 嵌め切れない時の下がりながらの対応及びクロス対応に難。人を見ない、捕まえない悪癖があり、後手に回るシーンが散見。
- セットプレーはマンマーク。
攻撃
- ショートパスを繋ぎつつ攻撃を構築。パススピード、精度共に伴うキーパスをスイッチにスピードアップ。ギャップを突き、相手を引き寄せることで陣形を崩す。
- ボールを引き出す落ちるアクション、外から中に入り込むアクション、ワンツーで飛び出すアクションなど、ボックス内でゴールに繋げるバリエーションが豊富。
- 大島僚太不在の状況では、エドゥアルド・ネットがポゼッションの軸となる。
- CKのターゲットは、ニアで小林悠、中央で谷口彰悟が多いか。
全体
王者として迎える2018年、主力を全て残留させた上でかつてのエース大久保嘉人を呼び戻すなど、結果の出た路線を継続して、連覇を見据える川崎。
しかし、思わぬアクシデントが王者を襲う。
日本代表の欧州遠征にて、ポゼッションの軸となるプレーメーカー大島僚太が負傷。
彼がいるかいないかでクオリティに大きな違いが出るだけに、連戦が始まるこのタイミングでの離脱はチームにとって大きな痛手となった。
その不安が露呈したのがこの広島戦。
ソリッドな4-4をベースによく走り、よく戦うチームに変貌した広島のハードな守備に手を焼き、攻撃が停滞。
また、チームの進歩を示す攻撃→守備への鋭い切り替えも鳴りを潜めるなど、攻守両面で低調なパフォーマンスに終始。結局ゴールネットを揺らすことは出来ず、今季リーグ戦初黒星を喫した。
各選手のコンディションが下降傾向にあることも見逃せない。
長距離移動を伴うハードでタフな試合の連続となるACLは戦い抜くだけでも大きな負荷が掛かる。見えない疲労が体を蝕んでいることもパフォーマンス低下の一端なのではないだろうか。
強者であるが故のハードル、連覇に向けての道は決して平坦ではない。
キープレーヤー
No.21 エドゥアルド・ネット
2016年に加入した長身のブラジリアンは、今や川崎の中盤の一角として欠かせない存在であることは周知の事実。
中村憲剛・大島僚太という稀有な才能を持つパサー達にテンポを壊すことなくパスを配給しつつ、機を見てダイナミックに攻め上がる。守備でもスペース管理をしつつ、時に身を挺して秩序を保つ。オールラウンダーとして影のキーマンといっていい存在である。
そんな彼に目を付けたのが広島の指揮官・城福浩だった。エドゥアルド・ネットに常に圧力を掛けて、遂にはプレーのクオリティを一気に落とすことに成功した。
大島僚太不在の今、エドゥアルド・ネットに掛かる比重はより大きくなる。しかし、この試合で他のチームは彼を狙うことも増えるはず。厳しい警戒網の中で自らのクオリティを保てるか、大きな注目点といえる。
キープレー
「主導権争い」
これまでの構図なら、川崎がボールを握り、横浜が受ける、という展開が容易に予測できたが、今季はそうもいかない。
アンジェ・ポステゴグルー就任後、大きな変貌を遂げた横浜もまた自分たちがボールを握るサッカーに変化しているだけに、簡単にボールを明け渡すことはしないはず。
主導権の行方はポゼッションの質だけでは決まらない。特徴的なポゼッションに対しての対策、ロスト後のプレッシングの強度、スペース管理やバランス…一つ一つの阻害要因もまたキーとなっていく。
どちらが自分達の強みを発揮できるか、主導権争いがこの試合の趨勢を決める。
総括
ダービーではない、ライバルではない。
この試合に対しての位置づけは人それぞれ。
ただ、これだけは言える。
川崎は、忌み嫌い、憎むべき相手である。
それは何故か、川崎が横浜に災難をもたらす存在であるからである。
大願成就を阻んだのも、トラブルを引き起こしたのも、そして愛を憎しみに変えたのも、川崎が存在するから起こったと信じて疑わない。
理屈じゃない、すかしてる場合でもない、全ての感情をぶつけて、絶対に絶対に絶対に勝つ。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)