相手を知ることでより見えてくることがある。
相手を知ることでより楽しめることがある。
一歩踏み込んで試合を楽しむためのご提案、hamatra match preview。
今回は明治安田生命J1リーグ第29節 大宮アルディージャ編。
試合情報
2017 明治安田生命 J1リーグ 第29節
vs 大宮アルディージャ
2017/10/14(土) 14:00キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 11:30 | 一般開門 12:00)
・ホームゲームイベント情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
・チケット情報 | 横浜F・マリノス公式サイト
チーム成績状況
現在の順位と、リーグ直近成績
横浜F・マリノス
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 51 | 28 | 15 | 6 | 7 | 36 | 25 | 11 |
大宮アルディージャ
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
17 | 22 | 28 | 5 | 7 | 16 | 25 | 48 | -23 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
○ 2-1 G大阪(A) |
● 2-3 甲府(A) |
△ 1-1 柏(H) |
● 0-3 川崎(A) |
○ 1-0 FC東京(H) |
大宮アルディージャ
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
△ 0-0 清水(H) |
● 1-2 磐田(A) |
△ 2-2 G大阪(H) |
● 0-1 鹿島(A) |
△ 1-1 広島(H) |
過去の直接対戦成績
vs大宮アルディージャ 36戦12勝10敗14分 (41得点33失点)
(うち、ホームゲーム:17戦8勝6敗3分 (23得点16失点))
分析対象試合
2017 明治安田生命 J1リーグ 第28節
大宮アルディージャ 0-0 清水エスパルス
@NACK5スタジアム大宮
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:大宮アルディージャ
[第28節 清水戦スターティングメンバー]
守備
- 自陣深めに最終ラインを設定した4-4ゾーン。リスクを最小限に、オリジナルポジションに忠実にスペースを埋める。
- 前からは追わず、中を締めることをメインタスクに、横のスライドや収縮は少な目。潰しきれず失点した第27節磐田戦の修正か。
- セットプレーはフルゾーン。
攻撃
- 低い位置でのボール奪取が多いため、必然的に前線との距離が遠く、江坂任やマルセロ・トスカーノは孤立無援のままロストすることが多々。
- カウンター移行という面でも、守備から攻撃への切り替えの意識は低く、スピードアップする術を持たず。
- ボールを「持たされる」状況時、前線・中盤の顔出しが少なくノッキングする。大きなサイドチェンジからボールを前進させること以外に流れの中でのチャンス構築がほとんど見られなかった。
- セットプレーに迫力。河本裕之・菊地光将・カウエといった長身の選手がターゲットになり、大前元紀が速いキックで合わせる。また、岩上祐三のロングスローもある。
全体
置かれている状況は非常に厳しい。
最後に勝ち点3を奪ったのは8月13日の新潟戦。残留となる15位までの勝ち点差は5。今後3試合は上位陣との対戦が続くなど、いよいよ「降格」の二文字がちらついてきている。
そんな状況を表すかのように、ピッチのパフォーマンスも希望を見出すのは難しい。クラブのアイデンティティともいえる4-4のゾーンディフェンスに回帰し守備の安定を図るも、その弊害として攻撃頻度が著しく落ちてしまっている感を受けた。
対象試合とした清水戦でも流れの中で再現性のあるプレーは0。昨年躍進を果たす要因となったトレーラーゾーンを用いた崩しは全く見られず、現状得点を奪うための術は独力打開、もしくはセットプレーというところか。
何より重症と感じたのは、チーム全体が「様子見」傾向にあること。能動的なアクションを起こす選手がおらず、攻撃も守備も「きっかけ」がない状況のように見えた。
このクラブが持つ「残留力」、神通力にも似た見えない力が発揮されるか否か、それこそが最大の脅威かもしれない。
キープレーヤー
No.7 江坂任
甘いマスクのイケメンストライカーのシンデレラストーリーは、まさに"順風満帆"。
流通経済大からザスパクサツ群馬に加入すると、ルーキーイヤーから13ゴールと結果を残し、1年でステップアップのオファーを勝ち取る。大宮加入の昨季も8ゴール、躍進を果たしたチームの中で存在感を示した。
家長昭博(現・川崎フロンターレ)や泉澤仁(現・ガンバ大阪)といった主力が抜けた今季は、キャプテンマークを託されるなど期待を一身に背負い、加入2年目にしてチームの顔となった。
彼の強みは、裏を取る動きの質、そして思い切りの良さ。ボックス外からでも、角度が厳しくても打ってくるというのは怖さがあり、事実、何度もネットを揺らしてきている。
今季もここまでチームトップの7ゴール。チームとしての成績は振るわずとも、結果を残し続ける彼は、孤立無援の状況だとしても常に警戒しなければならない選手。
一騎当千を果たすか、抑え込むか、鍵となる選手であるのは間違いない。
キープレー
「セットプレー」
これまでの傾向を考えれば、ロースコアゲームとなる可能性が高く、リスクを嫌っている大宮の現状を考えると、より比重が大きくなるのがセットプレーか。
大宮のセットプレーにはパワーも高さもあり、怖さがあるだけに、ここでやられてゲームを難しくすることは避けたい。
また、不得手なポゼッションの中での攻撃構築が問われるゲームとなるだけに、チャンスの数が減ることを考えれば、セットプレーは攻撃時にもキーとなる。ばらつきこそあれど、天野純のキックは毎試合チャンスを生み出しているだけに、そろそろゴールがほしい。
総括
実は、大宮と横浜の置かれている立場は似ている。
辿り着くべき位置との差が大きい中で勝ち続けることを求められており、勝つことでしか差を埋めることも、ひっくり返すこともできない。
大阪での久々の歓喜は素晴らしいものだった。しかし、置かれている立場は大きくは変わっていない。一つ一つの試合が上を目指す上で重要な試合。齋藤学の復帰を願う気持ちもテンションもそのままに、この試合を迎えたい。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)