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今回は、2018 明治安田生命J1リーグ第29節 北海道コンサドーレ札幌編。
試合情報
2018 明治安田生命 J1リーグ 第29節
vs 北海道コンサドーレ札幌
2018/10/05(金) 19:30キックオフ
@ 日産スタジアム
(年チケ開門 17:00 | 一般開門 17:30)
チーム成績状況
現在の順位
順位 | チーム名 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 川崎 | 56 | 28 | 17 | 5 | 6 | 23 |
2 | 広島 | 56 | 28 | 17 | 5 | 6 | 20 |
3 | 鹿島 | 45 | 28 | 13 | 6 | 9 | 8 |
4 | 札幌 | 44 | 27 | 12 | 8 | 7 | -2 |
5 | F東京 | 43 | 28 | 12 | 7 | 9 | 7 |
6 | 浦和 | 41 | 28 | 11 | 8 | 9 | 11 |
7 | C大阪 | 41 | 27 | 10 | 11 | 6 | 4 |
8 | 仙台 | 41 | 28 | 12 | 5 | 11 | -5 |
9 | 清水 | 37 | 28 | 11 | 4 | 13 | 0 |
10 | 神戸 | 36 | 28 | 10 | 6 | 12 | -7 |
11 | 横浜 | 35 | 28 | 10 | 5 | 13 | 2 |
12 | 磐田 | 33 | 27 | 8 | 9 | 10 | -8 |
13 | G大阪 | 33 | 28 | 9 | 6 | 13 | -9 |
14 | 湘南 | 32 | 27 | 8 | 8 | 11 | -5 |
15 | 名古屋 | 31 | 26 | 9 | 4 | 13 | -5 |
16 | 鳥栖 | 30 | 28 | 7 | 9 | 12 | -7 |
17 | 柏 | 30 | 28 | 9 | 3 | 16 | -10 |
18 | 長崎 | 27 | 28 | 8 | 3 | 17 | -17 |
リーグ直近成績
横浜F・マリノス
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
◯ 5-2 仙台(H) |
◯ 2-1 磐田(A) |
● 1-2 浦和(H) |
◯ 3-1 柏(H) |
● 1-2 清水(H) |
北海道コンサドーレ札幌
直近 | ← 2試合前 |
← 3試合前 |
← 4試合前 |
← 5試合前 |
---|---|---|---|---|
◯ 2-1 鳥栖(H) |
● 0-2 鹿島(H) |
● 0-7 川崎(A) |
◯ 3-1 神戸(H) |
◯ 2-1 清水(A) |
過去の直接対戦成績
vs北海道コンサドーレ札幌
通算: 16戦12勝3敗1分 (31得点15失点)
ホーム: 8戦6勝2敗0分 (16得点8失点)
分析対象試合
2018 明治安田生命J1リーグ 第28節
北海道コンサドーレ札幌 2-1 サガン鳥栖
@ 札幌ドーム
得点者:58'三好康児(札幌) 89'小野裕二(鳥栖) 90'+4'p都倉賢(札幌)
公式記録/レポート
www.jleague.jp
プレー傾向:北海道コンサドーレ札幌
守備
- 散発的なアタッカーのアプローチはあれど、自陣に引き込んでの静的な5-4ブロックが基本。シャドーがサイドに落ちて中盤守備に参加。
- ラインを自陣25~30m付近に設定、バイタルエリアを狭める意図が垣間見える。
- ボールロスト時にはウイングバック・ストッパーが上がったサイドに大きなスペース。
- セットプレーは、ジェイをニアサイドのストーンに置いたマンマーク。
攻撃
- 低いゾーンでポゼッションし相手のプレスを引き寄せつつ、長身のトップへフィード及び長い距離の楔で中央にポイントを作る形が多いか。
- アタッキングエリアにボールが入ったところで近距離サポート。複数人が絡みつつ、スペースへのランニングで裏を取る。サポートに対しての意識が高く、時にスプリントを用いてサポートに入り、局面で数的優位を作る。
- 後方からの攻撃参加に迫力。ストッパーがボックス内でフィニッシュに絡むシーンも。
全体
どちらかと言えば受動的な印象の強かった札幌と、攻撃的かつ主体的なプレーイズムを信条とするミシャ・ペトロヴィッチの融合が、これほど大きな成果を残すと誰が予想できただろうか。ここまで12勝を挙げ、ACLも射程圏内の4位(暫定)、札幌の躍進は今季のJ1における大きなトピックである。
改めて試合を見てみると、ミシャ・ペトロヴィッチは札幌で興味深いグラウンドデザインをしていることに気づく。
それはミドルエリアでのプレー比率を落とし、アタッキングエリアでのプレー比率を高めるというもの。低い位置でのビルドアップで相手を自陣に引き寄せ、引き出すことで生まれたアタッキングエリアのスペースをシンプルに使うことで相手を出し抜く。そして、ボールサイドに素早く収縮し、コンビネーションで一気に崩す。
ポゼッションというより疑似的な「ショートカウンター」。優位性を生かすシチュエーションを作る仕組みのように思える。
また、終盤の勝負強さも健在。前半戦では横浜も餌食となったが、前節もアディショナルタイムに都倉賢が自ら奪ったPKを決めて勝ち点3をもぎ取った。この集中力とタフさも好調の要因であることは間違いないだろう。
横浜戦では、エース都倉賢、キャプテン宮澤裕樹、不動の右ストッパー福森晃斗、と複数の選手が出場停止で苦しい陣容となるが、勝ち星を積み重ねている自信を携えて堂々と横浜に乗り込んでくるだろう。
キープレーヤー
No.48 ジェイ・ボスロイド
190㎝という恵まれたサイズ、ワンステップでも強いシュートが打てるパワー、相手の弱いところを逃さずに突く判断力、未だJトップクラスのセンターフォワードであることは間違いないだろう。
今季は都倉賢のブレイクによりプレータイムが減り、数字的に平凡なものとなっているが、今節はその都倉が出場停止となるだけに、彼に掛かる期待は大きい。
横浜としては、パトリック、ディエゴ・オリヴェイラ、ジョーといったサイズとパワーを兼ね備えたFWを抑えきれずに失点を重ねてきており、結果としてゲームを落としている。ジェイ・ボスロイドもまた、その特徴を持つ一人。彼を抑えなければ、同じ轍を踏むことになる。
決めるか、抑えるか、ゲームの鍵は元イングランド代表の長身FWを巡る攻防にある。
キープレー
ファーサイドのクロス対応
前回対戦時の苦い記憶を掘り起こすと、2失点は共にクロスボールからファーサイド、という形で失点を喫している。
横浜もセンターバックはどの選手が起用されても高さ・強さを備えており、単純なクロスでは早々破綻はしない、が、サイドバックの内に絞ってのクロス対応となると不安が残るのも事実。磐田戦でも同様に川又堅碁にファーサイドから叩き込まれたことは記憶に新しく、相手が"弱点"としてフォーカスしても不思議ではない。
山中亮輔にしても、松原健にしても、攻撃時には様々な役割を担い、大きな成長を示している。この1戦では攻撃はもちろんのこと、"DF"として苦き記憶を払拭する対応を期待したい。
総括
札幌での平日開催から、横浜での平日開催。このカードについては平日開催と縁があるようで、横浜では初の「フライデーナイト」マッチ。
一人でも多くの人がスタジアムに集い、3連勝を成し遂げ、"サタデー"ナイトフィーバーならぬ"フライデー”ナイトフィーバーに酔いしれたい。
text:いた(@itaruru)
edit:nari(@fmbh_nari)